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インハイ記録に迫った逸材・名和田我空 自分を「信じきれなかった」決勝、惜敗から得た教訓

THE ANSWER / 2024年8月8日 9時45分

今大会で9得点を記録した神村学園の名和田我空。決勝では不発に終わった【写真:平野貴也】

■大会記録にあと1点に迫った通算9得点も…決勝では不発

 エースだからこそ、主将だからこそ、あと1点をもぎ取りたかった。全国高校総体(インターハイ)男子サッカー決勝が3日に行われ、昌平(埼玉)が3-2で神村学園(鹿児島)を破って初優勝を飾った。準優勝となった神村学園は、主将を務めるFW名和田我空(3年)が通算9得点で大会記録の10得点に迫っていたが、得点できなかった。名和田は「すごく悔しい。(決勝戦に限らず)大会期間中もチャンスを外していた。それが、最後に出てしまった。チームとしても個人としても、まだまだ得点できる場面はあった。有村(圭一郎監督)さんも言っていたけど、細部にこだわらないといけない。誰よりも努力して、次は自分が優勝に導けるように頑張りたい」と唇を噛んだ。

 無得点の試合も、まったくダメだったわけではなかった。ボールを持てば、巧みに相手の逆を取り、前を向いた状態を作ってゴールを狙い、プレースキックを含めたチャンスメークでも存在感は示していた。

 今大会は、3トップの左が定位置。決勝戦でも前線でパスを呼び込むと、相手のブロックのタイミングを外して何度もゴールを狙った。特に、ゴールまでの最短距離となるシュートコースを相手が塞いでくるなか、遠いサイドから少し曲げるようにしてゴールへ入れるシュートは、名和田の武器だ。しかし、決勝戦ではGKを含めて相手にブロックされる場面が多かった。ファーサイドへのシュートを警戒されてブロックされた場面があり、そこからシュートコースの狙いに迷いが生じたという。

「シュートの場面はあったなか、どっちに打とうか迷う場面もあった。自分の力を信じきれなかった。ニアを狙ったシーンは、今思えばファーにいつも通り得意なシュートを打てば良かった。振り返ってみれば、まだまだ課題はある。今でも武器ですけど、さらに磨き上げないと、決勝という舞台では出せないなと思った」(名和田)

 決勝戦は、2度もリードした試合で逆転負け。自分が決めていれば、チームを勝たせることができたはずだと思うからこそ、悔しさが募るようだった。負けても泣き崩れるようなことはなく、毅然とした態度が印象的だったが、取材対応の際には何度も「相手の喜ぶ姿」という言葉を繰り返し、優勝を逃した悔しさを口にした。

■海外プロクラブも注目、進路選択の基準は「成功より成長」

 名和田は、2021年に全国中学校大会で神村学園中学校のエースとして活躍。チームを初の日本一に導いた。高校でも1年時から活躍。昨年はU-17アジアカップで得点王と大会MVPに輝いた。11月のU-17ワールドカップでも1得点を挙げている。

 ただし、プレータイムは短く、チームのエースに君臨することはできなかった。それでも、代表チームで指摘された守備強度の課題改善に取り組むなど成長している。昨年度の全国高校選手権でも、準優勝した近江に敗れた準々決勝を含めて3試合で3得点。神村学園は、今季からユース年代最高峰のプレミアリーグWESTに初参戦。高校勢だけでなく、広島、名古屋、岡山、神戸といったJリーグクラブの育成組織も居並ぶハイレベルなリーグで、名和田は通算9ゴールの得点ランク2位につけている。

 高校サッカー界では、すでに十分に優秀な選手だが、目指している舞台は世界だ。海外のプロクラブも興味を示している逸材。進路選択が注目されているが、名和田は「進路は、自分が一番成長できるところに行きたい。成功というよりは、まずは成長にフォーカスして選びたいと思っている」と、さらに先までイメージした進路選択の基準を示した。

 インターハイを終え、今後は再開するリーグ戦でさらに力を伸ばす。冬の高校選手権では、あと一歩届かなかった歓喜の世界へ、エースとしてチームを導くプレーを見せる。夏の悔しさは、そのための糧となる。(平野 貴也 / Takaya Hirano)

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