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マラソン金メダル超人ハッサン「金メダル10個分よ」 計62.195km&中1日の超過酷ローテに本音「なんで5000と1万m走っちゃったのかと…」

THE ANSWER / 2024年8月11日 18時28分

女子マラソンで五輪新記録となる2時間22分55秒で金メダルを獲得したシファン・ハッサン【写真:ロイター】

■パリ五輪

 パリ五輪は11日、女子マラソンが行われ、シファン・ハッサン(オランダ)が五輪新記録となる2時間22分55秒で金メダルを獲得した。今大会、5000メートル予選と決勝、1万メートル決勝と走り、マラソンを合わせて1大会で4レース計62.195キロという異例の超過酷ローテで衝撃のクライマックスが待っていた。これで5000メートルと1万メートルの銅メダルに続き、1大会で3つのメダルを獲得した。

 陸上界の鉄人がパリで超過酷ローテで駆け抜けた。

 ハッサンは今大会、2日の5000メートル予選で初レースを迎えた。14分57秒65の組2着で通過し、中2日の5日に行われた5000メートル決勝は14分30秒61で銅メダルを獲得。さらに中3日の9日に行われた1万メートル決勝で30分44秒12の銅メダル。今度は中1日(34時間半)という短さで、この日のマラソンに出場した。

 レース序盤から大きな集団から離れ、単独走で自分のリズムを刻んだハッサン。メダル争いから徐々に離脱していくサバイバルとなったが、40キロを過ぎると3人の金メダルに絞られた。ラスト1キロを切ってハッサンがスパート。信じられないスタミナで振り切り、先頭でゴールテープを切った。

 英紙「ガーディアン」によると、ハッサンはオランダ放送局に対し、「始めた時は、マラソンのことなんて考えたこともなかった。でも、してもいいじゃん、やってみよう、と思ったの。で、優勝してオリンピックのチャンピオンになれた。イェーイ!」と“ハッサン節”で挑戦を振り返った。

 ただ、さすがにこのローテは堪えたのか、「今回のメダルは金メダル10個のように感じる」との本音も。「不可能なことだった。全部やるのはハードすぎるから。ええ、私はやったわ。最初はなんで5000と1万メートル走っちゃったのかなぁ、と思ったけど、20キロ、30キロを過ぎたら、よし行こうと思ったの」と胸を張った。

 常に挑戦を続けてきたアスリートだ。もともとトラック種目を専門とし、2021年の東京五輪は5000メートルと1万メートルの2冠を達成し、1500メートルも銅メダル。昨年からマラソンに挑戦し、10月のシカゴマラソンで世界歴代2位となる2時間13分44秒の好タイムで優勝した。

 昨年のブダペスト世界陸上の1万メートル決勝では先頭を走りながらラスト20メートルで転倒。11位に終わったが、レース後は「人生は山あり谷あり。だから、人生は美しいのよ」という名言を残し、人格者としての素顔も話題を呼んだ。パリの地でも記憶にも記録にも残る活躍を演じた。(THE ANSWER編集部)

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