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退任の男子バレー・ブラン監督「石川祐希選手に責任はありません」 今季を総括、五輪で責任背負った主将をかばう

THE ANSWER / 2024年8月16日 18時55分

パリ五輪の最終戦後、涙を見せたバレー男子日本代表のブラン監督【写真:ロイター】

■日本バレーボール協会を通じてコメント

 パリ五輪でバレーボール男子日本代表を率いたフィリップ・ブラン監督が16日、日本バレーボール協会を通じて今季の総括を発表した。今大会で退任することが決まっており、感謝とともに「(五輪で)敗れはしましたが、ファンの皆さんと日本のバレーボール界は、このチームを誇りに思うことができると信じています」などとコメントしている。

 64歳のブラン監督の就任以降、日本は50勝19敗。ネーションズリーグでは2023年に銅メダル、24年には銀メダルを獲得した。パリ五輪では準々決勝イタリア戦でマッチポイントを握りながらもフルセットの末に敗戦。メダルには届かなかった。

「皆さんの関心がオリンピックに集中していることは承知していますが、リオデジャネイロで開催されたネーションズリーグ第1週では、高橋藍選手と石川祐希選手が欠場していたにも関わらず、アルゼンチン、セルビア、キューバ相手に3勝できたことを非常に誇りに思っています」とコメント。チーム力の底上げに手応えを掴んでいた様子だ。

 五輪でのメダル獲得は「非常に高い目標ではありましたが、チームのプレーの質とこれまでの結果を考えれば現実的であるように思えました」としているブラン監督は「しかし、オリンピックは特別な大会です。感情のコントロールがチームのパフォーマンスにおいて特別な役割を担う大会なのです。オリンピック史上最もレベルの高い大会の1つである今回のパリ2024大会ではなおさらです。オリンピックのメダルを獲得して日本のバレーボール競技の歴史に1ページを刻みたいと告げるとき、その任務の重大さに直面し、自分自身の感情をコントロールすることは至極困難です」と、精神面の重要性を説いた。

 イタリア戦に敗れて終わったパリ五輪。「今大会の本当のターニングポイントはドイツとの第4セットでした」と分析している。初戦のドイツ戦は2-1で迎えた第4セットでマッチポイントを握るも取り切れず、最終的には競り負けた。

「私たちはこのセットに勝つ、つまりセットカウント3-1で勝利を収める十分な可能性がありました。そうなっていれば、精神的にも、また準々決勝前の順位も、完全に変わっていたでしょう。もちろんドイツはこの大会中、驚くべきパフォーマンスを見せました。銅メダルのアメリカ、金メダルのフランスに対してフルセットまで追いつめました。勝利は私たちの手の届くところにあり、勝利すれば私たちに大きな自信を与えてくれたことは間違いありません」

 52年ぶりのメダルには届かず「(五輪メダルは)私が手にしたことのない唯一のメダルだっただけに、個人的には非常に残念です。それ以上に、スタッフや選手たちが懸命に努力してきた夢、つまり日本のオリンピックメダリストに名前を刻むという夢を達成させてあげられなかったことが、本当に悲しいです」と残念がった。

■「石川祐希選手に責任はありません」「私はこれからも、日本代表チームのファン」

 それでも、強豪イタリアを相手に準々決勝では堂々のプレーも見せた。ブラン監督は「信じられないようなパフォーマンスを発揮しました。試合時間は2時間24分、総得点は日本114点、イタリア113点でした。このような結果に対し、非常に残念な思いを抱くことは当然です。イタリアが私たちよりもうまく切り抜けていたとはいえ、マッチポイントが4回あったのですからなおさらです」と無念の思いを表現した。

「この敗戦の責任は誰にもありません。ましてや、すばらしいキャプテンであり、アメリカとの厳しい試合から立ち直ってイタリア戦で32得点を挙げた石川祐希選手に責任はありません」と、責任を背負っていた石川をかばった。

「パリオリンピックの開幕前に選手たちに話したように、確かにオリンピックにおける夢は実現させなければなりませんが、実際には、このオリンピックまでの間に、私たちはすでに日本のバレーボールの歴史を何度も塗り替えてきました。私は代表選手全員をとても誇りに思っていますし、もしもう一度やり直すことになっても同じ選択をするでしょう。

 確かに予選ラウンドでは、各選手のパフォーマンスは必ずしも安定していたわけではありませんでしたが、話し合いを重ねた結果、準々決勝でチームの本当の姿を見せて戦うために、すべてのエネルギーを結集することができました。第3セットを落としても諦めない、意志が固く闘志あふれるチーム。敗れはしましたが、ファンの皆さんと日本のバレーボール界は、このチームを誇りに思うことができると信じています」

 ブラン監督は南部正司男子強化委員長、坂本將眞マネージャーを始め、サポートを受けたスタッフや関係者に「カントクとして、これ以上の仕事仲間を望むことはできませんでした」などと感謝した。

 さらに選手には「東京とパリの2回のオリンピックを共に経験させてくれた選手たちに感謝したいと思います。あなたたちが私を信頼してくれたので、育成においてもプロジェクトの指揮においても、私はその期待に応えようと努めました。私はこれからも、日本代表チームのファンであるだけでなく、あなた方選手たちのファンであり続けます。あなたたちは皆、まだまだ多くのことを見せることができます。そして、スキルを伸ばし続けるためにオープンな心を保ってください。さらにプレーを楽しむことができるでしょう」とメッセージを送った。

「私に男子日本代表の監督を任せてくれた日本バレーボール協会に感謝します。川合俊一会長、役員および職員の皆さん、ご協力くださりありがとうございました。私たちの共同作業は本日をもって終了します。今回は決断のタイミングが合いませんでしたが、近い将来、また一緒に仕事ができる機会があることを願っています」と締めくくっている。(THE ANSWER編集部)

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