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女子レスリング快挙の裏に一人の名伯楽 最重量級・鏡優翔が世界を沈める“代名詞”を手にするまで

THE ANSWER / 2024年8月18日 8時13分

レスリング女子76キロ級で金メダルを獲得した鏡優翔【写真:ロイター】

■パリ五輪レスリング女子76キロ級金メダリスト・鏡優翔

 パリ五輪でメダル11個を獲得し、躍進を遂げたレスリング日本代表。中でも女子76キロ級では、鏡優翔(サントリー)が日本女子史上初となる最重量級での金メダルを掴んだ。快挙の裏では、代名詞の高速タックルを磨き上げるため、あるトップトレーナーの指導を受けていた。

 ケネディアレクシス・ブレーズ(米国)との決勝戦でも鋭いタックルが冴え渡り、勝利を手繰り寄せた鏡。日本で栄光を見届けた恩師の言葉にも、感慨深さがにじみ出た。

「ものすごい快挙。日本人女子にとって最重量級での金メダルは途轍もなく厳しい道だった。チャンスはあると信じていましたが、本当に誇りに思います」


木場氏のもとでトレーニングする鏡【写真提供:木場克己】

 こう話したのは、サッカー日本代表MF久保建英(レアル・ソシエダ)らトップアスリートを指導するプロトレーナーの木場克己氏。今年4月に東洋大を卒業した鏡だが、レスリング部・若松正監督の「体幹トレーニングに取り組ませたい」という強化方針で、若松監督の母校・樟南高(旧・鹿児島商工高)レスリング部の先輩に当たる木場氏の主催する東京・江東区の「COREトレSTUDIO」で直接指導を受けていた。

 木場氏自身も学生時代にレスリング部で活躍した経験を持ち、アテネ五輪、北京五輪で連覇を果たした柔道女子63キロ級の谷本歩実さんをかつて指導した実績もある。鏡を頂点に導くために、強化すべきポイントは明確だった。

「鏡選手といえばタックル。重量級では組みがメーンになる選手が多い中、低い姿勢の高速タックルが強烈な武器です。タックルを仕掛けるためには常に低い姿勢をいかに保つことができるかが重要。その武器をさらに磨くスペシャルトレーニングに取り組んでもらいました。体幹の脇腹、お尻の部分の強化が目的でした」


木場氏は鏡の素顔を「天真爛漫そのもの」と語る【写真提供:木場克己】

 トランポリンの上で重心を不安定にした状態で、ウォーターバックを抱えながらの腿上げなどのトレーニングに加えて、両足首で特性ゴムチューブを引っ張りながら、10度の傾斜をつけたトレッドミルに横向きに乗り、重心を低くしながらすり足でサイドステップを繰り返すなどの特別メニュー。強化合宿や大会、遠征の合間に毎月、鍛え抜いたという。

「相手が右足にタックルを仕掛けてくる際には、低い姿勢のまま、右足を後ろに引いて、そのままの姿勢でカウンターでタックルを仕掛けることができるように、体幹部分と下半身の連動に重点的に取り組んでもらいました」と振り返った木場氏。若松監督も「重量級にしては体幹とバランス力に優れていると感じていた。月一度の体幹トレーニングだったけれど、上達も早かった。体幹の軸も安定したと思う」と教え子の成長を実感していた。

 磨き上げたタックルを武器に、パリの地で栄冠を手にした鏡。その素顔について、木場氏は「元々、フィジカルのポテンシャルも凄かった。男子の後輩部員が音を上げるようなきついメニューも淡々とこなしつつ、後輩を励ましながらしっかりと練習を盛り上げていた。そこは一流アスリート。すごく明るい性格で、天真爛漫そのもの」と明かしていた。(THE ANSWER編集部)

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