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陸上界の14歳逸材スプリンター 資金難もクラファン340万円で遠征費に…三好美羽が狙う全中制覇

THE ANSWER / 2024年8月20日 6時43分

三好美羽【写真:中戸川知世】

■全日本中学陸上選手権

 全日本中学陸上選手権が19日、福井運動公園陸上競技場で行われた。女子100メートル予選では中学日本記録保持者・三好美羽(神辺西・3年)が、12秒06(向かい風0.5メートル)の全体2番手で20日の決勝に進出。6月の日本選手権で準決勝に進出した逸材は両足の故障を抱えながら出場した。資金難を周囲の協力とクラウドファンディングで乗り越えたイマドキの14歳。初優勝を懸け、中学最後の夏に挑む。(文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

 満身創痍の脚でスタートに立った。左脚はピンクのテーピングがぐるぐる巻き。筋膜炎だったが、三好は駆けた。好スタートで全体2位の12秒06。「10分前まで出場するか親と話し合っていた。他県から応援してくださる方もいる。『ここは出ないと』と思って」。ウォーミングアップすらできず。指導者には棄権を勧められ、予選落ちも覚悟したが「まさかの12秒前半」と決勝進出に安堵した。

 日本選手権で一躍注目の的となった。14歳ながら予選11秒95の組3着で準決勝に進出。7月の全日本中学校通信広島大会決勝では11秒57(追い風2.0メートル)で中学日本記録を14年ぶりに更新した。過去にはスポーツ界の「金の卵」を取り上げるフジテレビ系「ミライ☆モンスター」で特集され、「広島美少女図鑑所属モデル」にも名を連ねる。インスタグラムのフォロワー数は4万1000人だ。

 だが、トップ選手は楽ではない。「お金がしんどいと親が言っていて……」。用具代や遠征費を揃えられず。所属クラブ「F.A.S.T」も4月に新設されたばかりのため、バックアップは十分ではなかった。打開策にクラブと共同で始めたのがクラウドファンディング。目標を190万円も上回る340万円に到達した。支援者にはデザイナーと考えたTシャツやチェキをお返し。仲間の用具代まで購入できた。

 最大の恩返しが走ること。まだ将来がある。決勝でも無理をするつもりはないが、治療に専念しながら昨年2位の雪辱がずっと目標だった。「走れるかわからないけど、長くお風呂に浸かって、早く寝て、治療してもらって明日に合わせていきたい」。中学最後の夏。残り100メートルに魂をぶつける。(THE ANSWER編集部)

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