早田ひな「思い出すだけで涙が…」 所属日本生命の五輪報告会で涙、怪我でも奮闘「コートに立つ事に意味がある」

パリ五輪報告会に出席した早田ひな【写真：浜田洋平】

■日本生命所属選手たちが報告会

　パリ五輪に出場した日本生命所属の選手たちが20日、都内の同社丸の内ビルでチームニッセイの報告会に出席した。卓球・早田ひな、陸上・桐生祥秀、柔道・出口クリスタ＆ケリーの姉妹が参加した。

　同社職員ら300人以上が見守る中、4人が報告会に出席した。初出場だった早田は、卓球女子シングルス銅メダル、団体銀メダル。左腕を痛めながら奮闘した。「4歳から始めて20年目に出場できた。支えてくださった方の想いを背負ってパリに入った。シングルス準々決勝で左手を痛めてできることは限られました。それでもコートに立つことに……思い出すだけで涙が出ちゃう……」と目元を拭った。

「コートに立つことだけで意味があると思った。負けたけど最後までプレーできました。治療で本当にたくさんの方に助けてもらったし、皆さんのおかげで獲れたメダル。やり切った気持ちがある。悔しい気持ちもあるので、突き詰めて金メダルを獲れるように頑張りたい」

　帰国後は帰省しないまま都内に滞在。手の治療を受けつつ、トレーニングで筋肉痛もあるという。「試合をしていないと弱ってしまう。私は“秒”で筋肉がなくなってしまうタイプ。1週間空いただけで弱っていた。トレーナーの厳しいトレーニングで全身筋肉痛を呼んでいます」と笑った。

　3大会連続出場だった桐生は、陸上4×100メートルリレーで37秒78の5位入賞。2大会ぶりのメダル獲得はならなかったが、3走として坂井隆一郎、サニブラウン・ハキームと繋がったバトンをアンカーの上山紘輝に繋いだ。区間2位の9秒16と好走。個人での出場は逃したものの、日の丸を背負って奮闘した。

　早田やクリスタがイベントで大忙しという話を踏まえ、「僕はメダルを獲っていないので時間があった」と会場の笑いを誘う場面も。職員に感謝を込めて挨拶した。

「いつも日本生命の横断幕を見てこんなに応援されているんだと思える。また皆さんに喜んでもらえる走りをしたいです。4年間は簡単ではないけど、また挑戦したいし、『リレーは桐生が3走だ』と思ってもらえるように、個人では100メートルを走って『桐生は100メートルも速いぞ』と思ってもらえるようにしたい」

　クリスタは柔道女子57キロ級にカナダ代表として金メダルを獲得。カナダ出身の父と日本人の母を持ち、長野・塩尻市で生まれ育った。松商学園から山梨学院大に進み、国内トップ選手として活躍。2017年にカナダ国籍を選択し、初の五輪出場でカナダ史上初の柔道金メダリストに輝いた。

「応援ありがとうございました。試合自体は納得のいくものではないですが、延長の苦しい時に皆さん（日本にいた社員）の応援が聞こえた気がします。東京五輪からは長く感じた3年間でした。応援のおかげでメダルがあると思います。本当にありがとうございました」

　ケリーも姉と同じくカナダ代表として女子52キロ級に出場。1回戦で阿部詩に一本負けしたが「嬉しいことよりも悔しい、しんどいことが多かった。そんな時に皆様の応援で頑張ることができました。本当にありがとうございました。メダルを獲得できませんでしたが、今後も全力で一生懸命、またその一生懸命を楽しむ気持ちで頑張ってまいります」と挨拶した。（THE ANSWER編集部）