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誰もいない両側7レーン、ただ1人の100m障害 異例の全国レースで15歳・首藤風綾が得た忘れられない財産

THE ANSWER / 2024年8月21日 11時53分

決勝レースを1人で駆け抜けた首藤風綾【写真:中戸川知世】

■全日本中学陸上選手権

 全日本中学陸上選手権が20日、福井運動公園陸上競技場で行われた。女子100メートル障害では救済措置を含めた9人による決勝2組のレースが行われ、救済された首藤風綾(ふうあ、大分明野・3年)は1組をたった1人で走り抜けた。記録は15秒05(向かい風1.7メートル)。タイムレースの結果、順位は9位だったが、笑顔で一礼して最後の全中を終えた。

 会場の視線が集まった。走るのは5レーンの自分ただ1人。両側7つのレーンには誰もいない。前日の予選、隣の選手が転倒した影響で首藤のレーンのハードルも倒れ、唯一の救済措置を受けた。会場は8レーンしかないため、タイムで進出を決めた通常の8人とは別に急遽、1人で決勝のもう1組に出場。タイムレースとして順位を争った。


決勝レースを終えて笑顔をこぼした首藤風綾【写真:中戸川知世】

 スタンドからは「風綾ガンバー!」の声が響く。2度ジャンプし、ゆっくりとスターティングブロックに足をかけると、勢いよく飛び出した。拍手が鳴り響く中、10台の障害を軽やかに越えた。ゴールし、トラックに向かって一礼。自己ベストの14秒47には届かず、順位は9位。それでも「目標記録には届かなかったけど、気持ちよく最後まで走れたので良かった」と爽やかな笑みを浮かべた。

「昨日は緊張の方が大きかったけど、今日になって楽しく跳ぼうと思えた」。初の全中で思いもよらないレースを経験した15歳。周囲の「楽しんで」という言葉を胸に走り切った。

「全国大会で1人で走れることなんてないから楽しかった。(拍手、応援は)嬉しかった」。高校進学後も陸上を続ける予定。100メートル障害に加えて、わずか2センチで全中の標準記録に届かなかった走り幅跳びや七種競技などにも意欲を燃やす。「今日の経験を生かして、緊張する時でも楽しんでレースに挑むようにしたい」。忘れられない財産になりそうだ。(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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