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ハンドボール界のスター軍団・ジークスター東京 欧州の強豪PSGとの「善戦」を悔しがったワケ

THE ANSWER / 2024年8月21日 14時6分

細川智晃(背番号7)の得点を喜ぶジークスター東京ベンチ【写真:矢口亨】

■フランス王者との国際親善試合で29-31と惜敗

 ハンドボールのスター軍団、ジークスター東京が、欧州の強豪パリ・サンジェルマン(PSG)を相手にファンを沸かせた。ジークは20日、東京・代々木第一体育館で行われた国際親善試合でPSGと対戦。29-31で敗れたものの、フランス王者相手に接戦を演じ、9月6日の新リーグ、リーグH開幕に向けて弾みをつけた。

 後半28分、元日本代表主将の信太弘樹が華麗なスカイプレーからゴールを決めると、スタンドが大歓声に包まれた。残り2分で28-30の2点差、その後ミスもあって金星こそ逃したが、後半だけなら19-18と互角以上の戦い。「勝てなくて悔しい」と佐藤智仁監督が言うような接戦だった。

 2年連続のPSG日本ツアー、昨年は8点差で完敗したジークだったが、今年は違った。相手の7メートルシュートを7本中4本止めるなどGK陣が大活躍。多彩な攻撃でゴールを重ねた。後半一時は6点差をつけられたが、粘ってその差を詰めて最後まで見せ場を作った。

「今年は勝つつもりで、準備もしてきた」と佐藤監督は話した。昨年は本場の強豪と対戦するだけで満足した部分はあったが、今年は「相手を分析もしたし、戦略も立てて臨んだ」。日本代表の玉川裕康主将も「いい試合はできたが、勝てなかったのは残念だった」と悔しそうに話した。

 強豪相手の「善戦」を悔しがったのは、9月に新リーグ開幕が控えているからでもある。日本代表選手が次々と加入し、スター軍団として注目された。20年に日本リーグに加入してからも毎年のように日本代表レベルの選手を獲得して戦力を充実させていった。


5013人が詰めかけた観客に佐藤監督は「鳥肌が立った」と感謝した【写真:矢口亨】

■悔しさの裏にあったリーグ初代王者への思い

 しかし、日本リーグ制覇は遠かった。誰もが認める力はあるものの、ここぞの場面で勝ち切れなかった。必勝を期して臨んだ23-24年シーズンの日本リーグでも、プレーオフで敗れて3位。「最後の日本リーグ王者」を目指しながら、ファイナルの舞台にも立てなかった。

 それだけに、新しく発足するリーグH初代王者への思いは強い。「スキルの部分は問題ない。勝つためには、プレーの強度を上げること。新リーグに向けての準備は、そこを中心にしてきた」と佐藤監督。新シーズンに向けて仕上がりを見るのがPSG戦の目的。「みんな調子が良くて、誰を使っていくか逆に頭が痛い」と話すなど個々のプレーには満足しながらも「強度を上げたことが最後に出たかも」と競り合いを落とした理由を説明した。

 昨季限りで引退した土井レミイ杏利主将は「みな優勝するために、ジークに来ている。優勝しなければいけない」と強い思いを口にしていたが、それは今も同じ。パリ五輪直前で代表から外れた司令塔の東江雄斗も「五輪は初戦のクロアチア戦を見ただけ。今は代表のことよりもリーグ戦に集中している。優勝したい」と言い切った。

 この日、5013人の観客に、佐藤監督は「鳥肌が立った」と言った。玉川主将も「この大歓声の中でSPGと戦えたのは、新しいリーグに向けてもいい経験になる」と話した。PSG戦をステップに、初のリーグ制覇へ。ジークは確かな手ごたえをつかんで、リーグH開幕を待つ。(荻島 弘一)(THE ANSWER編集部)

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