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井上尚弥「判定は許されない」 ドヘニーKOへ敢えて煽る危機感「気を抜かない。一番よく練習した」

THE ANSWER / 2024年8月21日 17時29分

TJ・ドヘニー戦に向けて公開練習を行った井上尚弥【写真:浜田洋平】

■9.3井上尚弥VSドヘニー

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が21日、9月3日に東京・有明アリーナで行われる元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)との4団体防衛戦に向け、神奈川・横浜市内の所属ジムで練習を公開した。「判定決着は許されない」と自ら危機感を煽るように話した。NTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で独占無料生配信される。戦績は31歳の井上が27勝(24KO)、37歳のドヘニーが26勝(20KO)4敗。

 井上に慢心はない。練習前の会見。物足りない相手と指摘する海外メディアもいるが、ドヘニーに最大級の警戒感を示した。

「一番は心掛けを意識してきた。周りの雰囲気は感じます。そういう気持ちはなくても緩みは出てきてしまう。だからこそ、言動も、練習も心掛けてきた。内容、ラウンド数を比べても、ネリ戦以上を意識しています。フィジカル練習を増やしたし、練習のトータルのラウンド数も増やした。

 自分の中で気を抜かないことを意識して練習してきて、一番よく練習したと思う。かなり追い込みました。むしろオーバーワークにならないようにもっていく。その調整が難しい。ドヘニーがやるべきことはわかっています。向こうも判定で勝つつもりはないと思うし、だからこそそこを気を付けながらやりたい。判定決着は許されない。その中で流れをつくって仕留められるところで仕留めたい」

 会見後にシャドー3回、サンドバッグを2回。シャドーではジャブ、ストレート、フック、アッパーなどを丁寧に打ちこんだ。パンチの角度を変えながら鏡に映る自分を正面から、次に側面から確認。いつもの公開練習より多めに披露し、たっぷりと汗を流した。

 5月に東京Dでルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKO勝ちして以来の試合。7月にはジム内の集中合宿でフィジカルトレーニングを行い、メキシコから招聘したパートナー4人とのスパーリングを重ねてきた。ここまで計89回。試合までに100回ほどになるという。陣営の大橋秀行会長も「スパーの後に『今日、調子いいよね?』と声を掛ける回数が一番多かった」と頷いた。

 オーストラリア在住のドヘニーは、アイルランド国籍を持つ37歳のサウスポー。2012年4月にデビューし、18年8月にはIBF王者・岩佐亮佑に判定勝ちした。19年4月にWBA王者ダニエル・ローマン(米国)との統一戦に敗れて王座陥落。井上―ネリ戦では不測の事態に備えたリザーブとして待機したが、出番はなく別の選手に勝利した。現在はWBO2位につけ、パンチ力と経験を兼ね備えた難敵だ。

 井上は「イメージ通りに動けている。やることは、ほぼほぼやっている。あとは怪我のないように無駄な面を省くように、少しのズレもないようにしたい」と気合い。「井上尚弥は完成していない」というのが興行キャッチコピー。「自分でもどこが完成かわからない。まだまだ完成していない。まだまだ進化するところを楽しみにしてほしい」と投げかけた。

 セミファイナルでは、WBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が同級1位・比嘉大吾(志成)と初防衛戦を行う。(THE ANSWER編集部)

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