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パラリンピック開幕、東京と違う「有観客」で増す魅力 メダル候補多い日本は175人参加 パリで熱い12日間再び

THE ANSWER / 2024年8月29日 17時53分

パリ・パラリンピックが開幕【写真:ロイター】

■パリ・パラリンピックが開幕

 パリ・パラリンピックが開幕した。サングラスで歩き回る黒スーツ軍団を見ながら思わず「逃げろ」と叫んだり、バラバラな集団行動に「ソチ大会の開会式のように日体大に教わればいいのに」と思ったり、ピアノの上に立ったダンサーを見て「柔道一直線か」と昔のドラマを思い出しながら突っ込んだり、オープニングから楽しめた開会式だった。

 船上のパレードも良かったけれど、やはり選手の顔がよく見える陸上の行進は見ごたえたっぷり。五輪のスケートボードやブレイキンで沸いたコンコルド広場を会場に、オベリスクがトリコロールに染まる。ラヴェルの「ボレロ」が流れる中で聖火リレーがフィナーレを迎える。

 個人的な感想を言えば、五輪の開会式以上にパラリンピックの開会式は印象に残る。多くの要素を詰め込んで難解になりがちな五輪に比べ、ストレートで分かりやすい。五輪の式典はオリンピック憲章で細かく定められたプロトコル(手順などを定めた規約)に沿って行わなければならず、パラリンピックの方が自由度が高いからなのかもしれない。

 東京大会も開会式は素晴らしかった。「片翼の小さな飛行機」は見ごたえ十分だったし、布袋寅泰ら「デコトラ」バンドの演奏もよかった。テーマは「WE HAVE WINGS(我々には翼がある)」。勇気を出せば片翼でも飛び立つことができる。そんなメッセージがストレートに、力強く伝わった。

 残念だったのは、東京大会が新型コロナ禍で無観客だったこと。国立競技場のピッチで繰り広げられるパフォーマンスに圧倒されながら、顔を上げるとスタンドは無人。関係者やメディアなど一部を除いて、多くの人は開会式や競技を生で見ることができなかった。

 パラ競技には五輪競技とは違った魅力がある。もちろん、選手個々に深いドラマがあるし、あまり馴染みのない競技が多いということもある。ただ、五輪での感動や興奮とは違った新しい発見や驚きがあるのも確か。そんな観客の反応があるから、よりパラ競技は魅力が増す。

 5人制(ブラインド)サッカーは、ボールの中の鈴の音とガイドの声だけが頼り。プレー中は静寂だが、審判の笛が鳴ると歓声が爆発する。14年に東京で行われた世界選手権でその「静」と「動」に鳥肌が立ったが、パラリンピックはそれ以上のコントラストになるはず。日本代表の川村怜主将は「パリは東京と違って有観客なので、楽しみです」と話した。「あの雰囲気で力が出る。見てもらうことも大切なので」とも言った。

■増えたパラ競技に触れられる機会、今大会は全22競技をネット視聴可能

 東京大会が無観客だったのは残念だったし、パリまで行って観戦することは難しいかもしれないが、今大会はテレビ放送がある。NHKが地上波で放送するようになったのはここ10年ほど。それまでは、1998年の長野冬季大会を除けば、ほとんどテレビで見ることはできなかった。パラ競技に触れる機会は東京大会をきっかけに圧倒的に増えたと言っていい。

 パラスポーツの環境が変わったことも大きかった。以前のパラリンピックは厚労省の所轄で、文科省の五輪とは分けられていた。それが文科省の所轄に一元化されたのが14年。ここで初めて、パラリンピックが「福祉」ではなく「スポーツ」として認められた。

 翌15年には五輪とパラリンピックを管轄するスポーツ庁が誕生。東京・北区の味の素ナショナルトレセンの拡充で、パラアスリートも使いやすくなった。新聞やテレビなどのメディアもパラリンピックの担当を社会部からスポーツ部へと移行。20年の東京大会に向けてパラスポーツの環境は激変し、一般の人もパラリンピックを知る機会が増えた。

 パリ大会の日本選手団は、海外で行われる大会では最多の175人。メダルは過去最多だった04年アテネ大会の52個を上回る数を目標にしている。陸上や競泳をはじめ、テニスやバドミントン、卓球、柔道に車いすラグビーなどメダル候補は数多い。目の離せない試合が続く。

 NHKが連日深夜に放送するほかにも、今大会は国際パラリンピック委員会(IPC)によるYouTube配信もある。こちらは全22競技をライブで配信。目当ての競技があるなら、こちらで見ればいい。五輪よりも少し短い12日間、来月の8日までパリが再び熱くなる。(荻島弘一)(THE ANSWER編集部)

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