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異例の腰負傷で棄権ドヘニー、尚弥の強打着弾で「6Rで神経に痛みが…」陣営説明 本人無念「もし明日6Rの続きができるなら…」会見には現れず

THE ANSWER / 2024年9月3日 21時57分

井上尚弥に敗れたTJ・ドヘニー【写真:中戸川知世】

■世界スーパーバンタム級4団体防衛戦

 ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は3日、東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)との4団体防衛戦で7回0分16秒TKO勝ちした。世界戦通算23勝の現役世界最多タイ記録、世界戦9連続KO勝ちで日本記録を更新した一方、前日計量から11キロ増量したドヘニーは番狂わせならず。通算成績は26勝(20KO)5敗。

 まさかの形でドヘニーが敗れた。井上の猛攻に耐えながら迎えた7回開始直後、コーナーで連打を浴びた。すると、腰付近を押さえながらよろよろと歩き、ゆっくりと膝をついてダウン。TKOが決まった。会場は「えー!」と騒然。コーナーに座り込んだドヘニーは自力で歩けず、陣営に両肩を借りて下がっていった。

 試合後、会見には本人は現れなかったものの、ヘクター・バミューデス・チーフトレーナーは「怪我の状態は今は大丈夫だ。医師の診断を受け、休んでいるところ」と説明。「7ラウンドの怪我のように見えるが、6ラウンドで痛めていた。神経が痛んでいたと思う。7ラウンドで痛みが出た」とも語った。

 プロモーターのマイク・アルタムラ氏も「今、本人はリカバリーに尽くしている。6ラウンドでパンチが当たって腰の神経を痛めた。立て直せると思ったが、7ラウンド目に痛みが悪化した」と重ねて説明。また、ドヘニーからのメッセージとして「もし、明日6ラウンドの続きができるならやってみたいくらいの思いでいる」と伝えた。アルタムラ氏は「結果はどうであれ、果敢に攻め続けたドヘニーのことを誇りに思っている」と称えた。

 一方、米著名ボクシング・ジャーナリストのダン・ラファエル氏は「ドヘニーがロッカールームで負傷について説明する。動画はショーン・ギボンズより」とつづり、ドヘニーが控え室で椅子に座り込んだ動画をXに投稿。ドヘニーは「背中? 坐骨神経痛か何か?」と問われると「骨盤の上の筋肉だ」と打ち明けた。「脚が使えなかったんだ。踏み込もうとしたんだけどダメで、もう一度踏み込もうとしたけど無理だった」とも語った。

 オーストラリア在住のドヘニーは、アイルランド国籍を持つ37歳のサウスポー。18年8月にIBF王者・岩佐亮佑に判定勝ちし、19年4月の2団体王座統一戦で陥落した。今年5月の井上―ネリ戦で不測の事態に備えたリザーブとして待機したが、出番はなく別の選手に勝利。これまで対日本人は3戦3勝の日本人キラーとされ、過去4敗のうちKO負けはなかった。

 この日は前日計量から11キロ重い66.1キロでリングイン。前日55.3キロだった井上は62.7キロで、挑戦者と3.4キロ差だったが、まさかの形で初のTKO負けを喫した。(THE ANSWER編集部)

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