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バド福島由紀の青いネイルに込められた約束 被災地で出会った中学生へ、再出発のコートで示す絆

THE ANSWER / 2024年9月8日 9時21分

全日本社会人バドミントン選手権に出場した福島由紀と古賀輝(右)【写真:荒川祐史】

■全日本社会人バドミントン選手権

 バドミントンの全日本社会人選手権が7日、鳥取産業体育館などで開幕。東京五輪女子ダブルス8強の福島由紀は、男子ダブルス元日本代表の古賀輝とのペアで混合ダブルスに出場。2回戦で崎野翔太、小野涼奈組に2-0(21-15、21-12)でストレート勝ちした。福島はこの日、濃い青のネイルでプレー。鮮やかな指先には、能登半島地震の被災地で出会った女子中学生との約束が込められていた。

 実力者同士のペアに、観客の視線が集まった。「混合ダブルス初心者同士」と話す古賀、福島組は第1ゲームから実力を見せてストレート勝ち。福島は「緊張していたけどやるべきことはできた」と笑顔で振り替えった。


中学生と約束した両指のネイルを見せる福島由紀【写真:荒川祐史】

 試合中、喜びも悔しさも体いっぱいに表現。ラケットを握る指先には、鮮やかな青のネイルが彩られていた。「いつもとは違う青」。果たされていたある“約束”があった。

 パリ五輪開幕直前の7月、福島は「THE ANSWER」を運営するCreative2が開催した能登半島地震の復興支援イベント「能登にエール アスリート こども支援」に参加した。

 能登高校の教室で行われた中高生向けのトークイベントでは、廣田彩花との“フクヒロ”ペアで出場した東京五輪、出場が叶わなかったパリ五輪に向けた日々を振り返り、思わず涙した。本気の想いを受け取ったのが、最前列に座っていたバドミントン部の女子中学生だった。


青いネイルでプレーし約束を果たした【写真:荒川祐史】

■ネイルを濃い青にした理由「この大会で絶対にと決めていた」

 福島はイベント後、熱心に話を聞いてくれた中学生と交流。感謝を伝えると、ネイルを濃い青にしてほしいとリクエストを受け、約束した。

「その時から、この大会で絶対に青にしようと決めていた」。ネイリストとは見本をもとに相談しながら、こだわって色、デザインを選び抜いた。SNSで完成したネイルを公開すると、女子中学生からは歓喜のDMも届いたという。


インタビューに応じる福島【写真:荒川祐史】

 まだ震災の爪痕が残る能登では、スポーツ教室でちびっ子たちとも交流。元気を与えるつもりが、復興への希望を忘れない「元気をくれた人たち」に出会えた。「何が大きく変わったかは分からないけど、スイッチが入った」。今、バドミントンに向き合ううえで間違いなく力になっている。

 復興支援イベント後、初の大会出場。目標にしてきたパリ五輪は閉幕し、今大会は再出発の場でもある。女子ダブルスを主戦場としてきた福島だが、今回は混合ダブルスでの出場を選んだ。「今後のダブルスにつなげていきたい。『やっぱり強かった』と言ってもらえるように」。能登で生まれた絆も胸に刻む31歳。挑戦は始まったばかりだ。(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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