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「NBAでも…」 プレシーズンなのに7948枚完売、渡邊雄太が11年前に想像できなかった日本バスケの景色

THE ANSWER / 2024年9月16日 11時43分

プレシーズンゲーム初戦、千葉ジェッツとしてBリーグ初出場した渡邊雄太【写真:中戸川知世】

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 バスケットボールB1リーグの千葉ジェッツは15日、新本拠地「ららアリーナ 東京ベイ」にサンロッカーズ渋谷を迎え、2024-25シーズンのプレシーズンゲーム初戦を開催。65-72で逆転負けを喫した。NBAで6季プレーした渡邊雄太が千葉Jに移籍後初出場。日本代表で共闘したジョシュ・ホーキンソンともマッチアップした。チケットは完売。新アリーナに集まった7948人の熱気に2人は舌を巻いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)

 新築の匂いがまだ残る新アリーナ。炎を使った演出とともに選手たちが登場すると、真っ赤に染まったスタンドが波打ち、大歓声が起こった。4月に竣工したばかりのららアリーナは収容人数1万人規模。昨季までの本拠地・船橋アリーナの4500人弱から倍以上に増えた。千葉Jの看板選手・富樫勇樹は「これだけのお客さんの前でプレーできる幸せを感じた。恩返しできるように」と感慨深げに語る。

 幸せ――。今季から千葉Jに加入した渡邊も同じ言葉を使って喜びを表現する。尽誠学園高を卒業後、約11年間米国を主戦場とし、NBAで日本人最長の6季プレー。Bリーグは初の舞台だ。この日は4階上段席が販売されなかったものの、プレシーズンにもかかわらずチケットは完売。渡邊が盟友・富樫のパスからレイアップを決めると7948人の観客が熱狂し、お手製の「渡邊雄太」ボードが揺れた。

 渡邊が高校生だった11年前には想像できなかった景色。「こんなに大きなアリーナがこれだけ満員になった中でプレーできるのは日本代表戦でもなかなかなかった。それこそプレシーズンはNBAでもお客さんが入らない試合がある」。バスケの本場に負けない熱気に渡邊は「本当に幸せなこと。当たり前と思わず、感謝しながらプレーしていきたい」。日本バスケ界の盛り上がりをひしひしと感じた。

 渡邊とマッチアップしたホーキンソンも、日本バスケの成長を感じる一人だ。米国の大学を卒業後、2017年に来日し、2023年に日本国籍を取得。今季がBリーグ8年目のビッグマンは「この新しいアリーナでプレーできたのは素晴らしい経験だった。このリーグに長く携わり、リーグが成長する過程を、新しいアリーナができる過程を見てきた。その一部でいられて素晴らしい気持ち」と誇らしげに語る。

 ホーキンソンはBリーグの成長を一番感じる部分に「ファンのサポートの変化」を挙げる。ただ見るだけにとどまらず、ルールを学び、バスケを深く理解するファンが増加。日本では比較的マイナーだった競技の観戦が「カルチャーとして根付き始めた」と実感する。「バスケを見る面白さ」を共有できる仲間が増えた。ホーキンソンが喜びを感じた熱の高まりを、完売の新アリーナが象徴していた。(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku)

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