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大谷偉業を支えた恐怖の男ベッツ 負傷者続出の終盤「言い訳はダメ」…下を向かないリーダーの背中

THE ANSWER / 2024年9月28日 6時43分

今季1、2番コンビを組んだ大谷翔平(右)とムーキー・ベッツ【写真:Getty Images】

■大谷翔平と1、2番コンビのベッツが車椅子の青年に送った言葉

 米大リーグ・ドジャースは26日(日本時間27日)、本拠地パドレス戦に7-2で勝利し、3年連続22度目の地区優勝を決めた。「1番・DH」の大谷翔平投手は決勝打を含む5打数3安打1打点。今季は史上最多の「53本塁打&56盗塁」など規格外の活躍を見せたが、1、2番コンビを組んだムーキー・ベッツ外野手の存在を忘れてはならない。怪我から復帰後は大谷の後を打ち、相手チームにプレッシャーをかけ続けた。

 フレディ・フリーマン内野手とともにMVPトリオを結成する31歳のチームリーダー。慈善活動にも積極的な男は苦しいシーズン終盤にも前を向き、チームの士気を高めてきた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

 ◇ ◇ ◇

 ネクストの存在感が大谷を支え続けた。地区優勝を決めたこの夜も変わらない。

 2点差を追いついた7回、なおも1死一、二塁。大谷の右前適時打で勝ち越した。1死二、三塁、燃え上がる本拠地で続くベッツも乗った。痛烈な打球が右前に跳ねる。二走の大谷も生還し、この回一挙5得点。優勝を決定的にした。

「チームの雰囲気はスペシャルだね。互いを信頼し合っている。今夜がその典型的な例だ」

 大きな目にシャンパンが沁みた。2018年ア・リーグMVP、オールスター8度出場、ゴールドグラブ賞6度。多くのタイトルに輝いても、仲間と浴びる酒は何度でも酔える。

 苦境でも下を向かないのがチームリーダー。そんな精神はファンも勇気づけた。13日(同14日)の敵地ブレーブス戦。試合前の練習をファンエリアで見守る車椅子の男性ファンがいた。ドジャースのユニホームを着た20歳のエイデン・ペインさん。3歳から17年間プレーしていたが、今年6月に首の骨折で半身麻痺になった。

 状況を知るベッツは歩み寄り、サインボールをプレゼント。「落ち込まず、顔を上げるようにね」。そんな言葉を掛け、笑って記念写真に納まった。


シャンパンファイトに酔いしれたベッツ【写真:Getty Images】

■終盤戦の苦境で放った言葉「嵐の中にいる時は…」

 マインドはチームにも浸透した。

 前半戦は2位に一時9ゲーム差をつけながら、後半は2位パドレスの猛追を受けた。グラスノー、カーショー、ストーンら投手陣に離脱者が続出。打線もかみ合わず、名門球団が苦しんだ。気づけばゲーム差は2。「離脱者が多いのは残念だけど、それを言い訳にしちゃいけない」。ロッカールームの空気は重い。でも、ベッツは前だけを見た。

「調子の上がり下がりはあるもの。抜け出す方法を見出さないといけない。嵐の中にいる時はそれと戦うのではなく受け入れないと。そこで抜け道を見つけ出すんだ」

 今季、大谷は開幕から初本塁打まで8試合、41打席を要した。打線を牽引したのがベッツ。175センチの決して大きくない体でアーチをかちこみ続け、開幕ダッシュの支えになった。内野守備にも挑戦。6月には死球で左手を骨折し、2か月の離脱を強いられたが、カムバックすれば打棒を発揮した。大谷敬遠後に回ってきた2度の機会はともに決勝打。一つは3ランだった。

 大谷は「53-56」の歴史的記録を更新中。相手が勝負を避けられないのは、ベッツが待ち構え、恐怖を与え続けているから。「彼(大谷)には俺たちみんなの助けが必要だ。俺らはサポートするよ」。出場113試合で打率.292、19本塁打、75打点、16盗塁。大谷の盗塁を待つことで、理想通りの打席を迎えられなくても結果を残し続けた。

 子どもの健康をサポートする基金の設立など慈善事業にも積極的。今季は社会貢献活動の功績を称える「ロベルト・クレメンテ賞」の候補に名を連ねた。客席のユニホームは17番の次に多いのがベッツの「50」だ。

 目指すは4年ぶりのワールドシリーズ制覇。「この勢いをキープするのは簡単じゃないよ」。世界屈指の1、2番コンビから始まる最強打線でプレーオフも駆け上がる。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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