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那須川天心、世界ランカーも目を見張る成長 3回9分で圧倒され「全ての精度が凄く上がってる」

THE ANSWER / 2024年10月2日 15時20分

スパーリングパートナーのクリスチャン・メディナ(左)と那須川天心【写真:浜田洋平】

■那須川天心がボクサー転向5戦目へ

 ボクシングのWBA、WBC世界バンタム級3位・那須川天心(帝拳)が2日、都内の所属ジムで練習を公開した。14日に東京・有明アリーナでWBOアジアパシフィック(AP)バンタム級王座決定戦10回戦を予定。同級2位ジェルウィン・アシロ(フィリピン)と対戦する。ボクシング転向5戦目で初の地域タイトル戦を迎える中、スパーリング相手も目を見張る成長を見せた。興行はAmazon プライム・ビデオで生配信される。戦績は26歳の那須川が4勝(2KO)、アシロが9勝(4KO)。

 圧倒する内容だった。WBO・AP同級1位の那須川はスパーでWBO2位クリスチャン・メディナ(メキシコ)と対峙。前に出る相手に対し、ステップで円を描きながらいなすと、上半身の動きで牽制を入れた。相手に警戒心を与え、出づらくなったところで自分の攻撃に繋げていく。的確なパンチを当て、3回計9分間で主導権を握り続けた。

「今までは相手が来たところに合わせていたけど、今は相手を導いている。自分で相手を動かして制する感じです」と説明。「4か月でこれだけ変われるというのを見せることを意識している。(キックボクシングと違い)蹴りがない分、足のフェイントで相手は引っ掛からない。上でどれだけつくるか。アッパー、ボディーとかパンチの種類は増えた」と自信を深めた。

 メディナも取材対応。那須川の7月の4戦目前もパートナーを務め、「今回で2回目。スピードもパンチ力も、もの凄く上がっている。テンシンのパンチの精度は全部上がっている」と成長に驚いた。

「確実にピンポイントで狙ってくる。距離を支配するのがうまい。今回はパンチを当てるのが特に難しかった。(那須川は)前は長い距離が得意だったが、今回は短い距離もできるようになっている。メキシコ人は短い距離が好き。そういう相手とやって覚えたのではないかな。打とうと思った時に彼は動いている。パンチの出しづらさがある。距離を掴むのが上手だし、後ろの手でカウンターを取るのが上手」

 帝拳ジムの浜田剛史代表も「段階的にというより、急激に伸びている。長いラウンドも対応できます。もともと『よけて打つ』のセンスが抜群。そこに打ち込むこともできるようになった。KOを期待していい」と評価。コンビを組む元世界2階級制覇王者・粟生隆寛トレーナーも「パワーも最初にミットを持った時から比べ物にならない」と客観的目線で明かした。


会見に応じた那須川天心【写真:浜田洋平】

■ドラマにも初出演「いろいろなところから知られるのが大事」

 同級では13日にWBA王者・井上拓真(大橋)がWBA2位の元日本王者・堤聖也(角海老)と3度目の防衛戦を行い、14日にWBC王者・中谷潤人(M.T)が2度目の防衛戦に臨む。IBFに西田凌佑(六島)、WBOに武居由樹(大橋)が就き、全4つの王座を日本人が独占している。

 那須川は昨年4月にボクシングデビューし、世界ランカー対決となった今年7月の4戦目はノンタイトル10回戦で3回TKO勝ちした。今回はボクサー転向後最軽量のバンタム級(53.5キロ)。現在の同級世界ランクはWBA3位、WBC3位、WBO12位につけ、勝てば世界挑戦に近づく。

 一方、リング外では8日スタートのTBS系新ドラマ「あのクズを殴ってやりたいんだ」(午後10時~)に毎話、異なる役どころで出演する。初のドラマ出演には「今日の公開練習は“バンセン”です。何事も経験。試合と一緒にお見逃しなく」と笑った。SNSでは「ドラマに出ている場合じゃない」と指摘する声もあるが、「書いている人はまず自分のことを考えてほしい」と吐露。意に介さず、ライト層の認知度を上げる必要性を説いた。

「あなたは24時間、仕事をしていますか?と。格闘技もずっと練習をしているわけじゃない。僕はそれを10年くらい言われています。それを言う暇があるなら、もっと楽しいことをやった方がいいんじゃないですかね。

 試合もそうですが、試合以外のことも大事。いろいろなところから知られるのが大事。ものにするかは自分次第です。試合が決まってから、試合までが一つの試合だと思っています。試合で見せるのは当たり前。そこはしっかりやりたいし、当然こっち(ボクシング)がメインですよ」

 相手のアシロは「Gladiator(戦士)」の愛称を持つ9戦全勝(4KO)の強豪。7月にWBOオリエンタル王座を獲得した。那須川は「前回の試合前の公開練習は『調子がいいっすよ』って嘘をついていた。今回は本当にいいです。前回の流れのまま来ている。毎日、毎日の発見がまだある。どれだけ試合までに強くなれるか楽しみ」と意欲を見せた。

 13日と合わせ、異例の2日連続世界戦興行。1イベント7試合の世界戦は日本初となる。興行名はこれまでの「Prime Video presents Live Boxing」から「Prime Video Boxing」に改称され、第10弾として行われる。

【13日の対戦カード】

▽WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者・井上拓真(大橋)
VS
同級2位・堤聖也(角海老宝石)

▽WBC世界フライ級王座決定戦12回戦
同級1位・寺地拳四朗(BMB)
VS
同級2位クリストファー・ロサレス(ニカラグア)

▽WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)
VS
同級8位タナンチャイ・チャルンパック(タイ)

▽WBO世界ライトフライ級王座決定戦12回戦
同級1位・岩田翔吉(帝拳)
VS
同級2位ハイロ・ノリエガ(スペイン)

【14日の対戦カード】

▽WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者・中谷潤人(M.T)
VS
同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)

▽WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
王者・田中恒成(畑中)
VS
同級6位プメレレ・カフ(南アフリカ)

▽WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦
王者アンソニー・オラスクアガ(米国)
VS
同級1位ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)

▽WBO・APバンタム級王座決定戦10回戦
同級1位・那須川天心(帝拳)
VS
同級2位ジェルウィン・アシロ(フィリピン)(THE ANSWER編集部)

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