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大谷発言から派生した競技愛 那須川天心が囲み取材で長語り「自分の競技を誇れない奴は…」

THE ANSWER / 2024年10月12日 6時33分

王座決定戦10回戦に向け、会見を行った那須川天心【写真:中戸川知世】

■Amazon プライム・ビデオで生配信

 ボクシングの7大世界戦興行に出場する選手たちが11日、都内のホテルで会見した。13、14日に東京・有明アリーナで行われる異例の2日連続世界戦興行。WBOアジアパシフィック(AP)バンタム級1位・那須川天心(帝拳)は、14日に同級2位ジェルウィン・アシロ(フィリピン)との王座決定戦10回戦に臨む。波紋を呼んだ発言から話題が派生し、競技愛を溢れさせた。戦績は26歳の那須川が4勝(2KO)、23歳のアシロが9勝(4KO)。

 世界戦7試合の陰に隠れるつもりはない。那須川は壇上の後列中央に着席。「入念に脂肪を削る作業をずっとやってきた」。ボクシング転向後最軽量の53.5キロがリミット。計量クリアに自信を見せ、「トレーニングだけじゃなく、世間ともしっかり勝負してきたつもり。それを回収して必ずいい結果で終わらせたい」と5連勝を誓った。

 会見後も取材対応。心境やコンディションなどについて語った中、「世間との勝負」を深掘りする質問も。最近は出演した情報番組内でドジャース・大谷翔平投手について“テレビつければ大谷選手ばかり。飽きちゃわないですかね”いった趣旨の発言がネットを中心に賑わせた。「ちょっと(波紋を)呼んでますね」と苦笑いし、説明した。

「あの発言はその選手に言ったわけじゃないので。でも、そこだけ切り取られて回されてしまっている。僕は良い炎上だと思っています。あれで見てくれる人が多くなったと思う。しっかり勝って回収して次の日のテレビのニュースにしてください(笑)」

「ボクシングもあるんだぞ」という想いだったのかと問われたが、「そういうわけではない」と否定。話はここから競技への想いに派生した。

「やっぱり競技者として一番思うのは、自分のスポーツを誇れないヤツはやる必要がないということです。俺はボクシングが一番面白いと思っている。『ボクシングより面白いものはないよね』って常に思っていますから。(大谷に関して)だから言ったわけじゃないですよ。

 ボクシング、格闘技より面白いものはないという気持ちは常に持っていますよ。そこはどのスポーツに対してもです。オリンピックを見てもそうですし、他の競技を見ても『いや、俺はボクシングやってんだから、ボクシングが一番楽しいでしょ』と思います。(周りが)そこをどう判断するかはわからない」

 他の競技を否定するわけではない。それぞれにハマるものがあり、自分が今、最も熱中できるのが2つの拳だけで殴り合うこの競技。試合3日前の減量最終盤でも、20人ほどの記者に囲まれながら魅力を話し始めると止まらない。


ボクシング愛を語った那須川天心【写真:中戸川知世】

■那須川が語りまくったボクシング愛「一瞬のミスが命取り。それで終わる」

「やっぱり対峙して人と人が殴り合っているというのが、それだけでまず面白い。それが芸術というか、競技になっていること自体が凄いと思う。例えば器具や物を使ってやる競技も凄く面白いんですけど、いかに自分が強くても負ける時があるから。何を用意してきたら絶対に勝てるというのはないわけですよ。

 例えば他の競技では『1回のミス』が許されることが多いと思うんですけど、格闘技って一瞬のミスが命取りですし、終わりますから。そういった意味で僕はボクシング、格闘技に勝るものはないなって思っています。

 僕はめっちゃハマってるんで。今、もう好きなんですよ。正直、外から見ていた時は『地味だな』と思っていたんですけど、実際に入っていろいろなことをしていくと、面白いことがたくさんある。いろいろなものが守られていますし、一番歴史もあるし、そういうものを中に入ってみたらわかる」

 昨年4月にボクシングデビューし、世界ランカー対決となった今年7月の4戦目はノンタイトル10回戦で3回TKO勝ち。圧勝で成長を印象付けた。現在の世界ランクはバンタム級でWBA3位、WBC3位、WBO12位につける。今回は転向5戦目で初の地域タイトル。勝てば世界挑戦に近づく。

 バンタム級の4つの世界王座はWBAに井上拓真、WBCに中谷潤人、IBFに西田凌佑、WBOに武居由樹が就き、日本人が独占。那須川は「まずはこのベルトをとりあえず獲ること。獲ってから話せると思う。獲ってから来年のどこかで。日本人が4つのベルトを持っているので、そのどれか。全員狙っています」と世界獲りを視野に入れた。

 相手のアシロは「Gladiator(戦士)」の愛称を持つ実力者。7月にWBOオリエンタル王座を獲得した。那須川は「前回同様に流れの中で倒すこと」をイメージ。会見は相手とともに笑顔が目立ち、健闘を誓い合った。

「試合前にいがみ合うとかはないので、本当に僕たちは尊敬や敬意を持ってしっかり戦おうと思う。格闘技は相手がいないとできないもの。僕らは相手といがみ合ってやっているわけじゃない。普段からそうじゃないですか。人に対していがみ合って生きていない。

 試合だけを見てほしいと言う人もいますけど、試合だけじゃなく、僕は那須川天心の生き様を格闘技の中で見せたい。だから、全て見せるスタイルでやっていますね。前回の試合からトレーニングだけじゃなく、マインドもイメージがあってそれをぶつけるのが試合。それが合っている、合っていないのか確認するのが試合。その確認をしたい」

 大好きな競技で思う存分、自分を表現する。

■13、14日の対戦カードと試合順

【13日の対戦カード】

▽WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者・井上拓真(大橋)
VS
同級2位・堤聖也(角海老宝石)

▽WBC世界フライ級王座決定戦12回戦
同級1位・寺地拳四朗(BMB)
VS
同級2位クリストファー・ロサレス(ニカラグア)

▽WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)
VS
同級8位タナンチャイ・チャルンパック(タイ)

▽WBO世界ライトフライ級王座決定戦12回戦
同級1位・岩田翔吉(帝拳)
VS
同級2位ハイロ・ノリエガ(スペイン)

【14日の対戦カード】

▽WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者・中谷潤人(M.T)
VS
同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)

▽WBOアジアパシフィック・バンタム級王座決定戦10回戦
同級1位・那須川天心(帝拳)
VS
同級2位ジェルウィン・アシロ(フィリピン)

▽WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
王者・田中恒成(畑中)
VS
同級6位プメレレ・カフ(南アフリカ)

▽WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦
王者アンソニー・オラスクアガ(米国)
VS
同級1位ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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