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異例の経歴持つ32歳のオールドルーキー 大手商社→3人制バスケ経てWリーグ入りした桂葵が目指す化学反応

THE ANSWER / 2024年10月14日 6時43分

ENEOSとのWリーグ開幕戦に出場したトヨタ自動車の桂葵【写真提供:Wリーグ】

■大樹生命 Wリーグ 2024-25シーズン開幕戦

 異色の経歴を持つ32歳の新章が始まった。11日、東京・国立代々木競技場第二体育館で行われたバスケットボール女子Wリーグの開幕戦。トヨタ自動車アンテロープスはENEOSサンフラワーズに72-78で敗戦したが、オールドルーキーの桂葵がデビューを果たした。インカレでMVP獲得も、大学卒業後は商社に入社。3人制バスケ(3×3)を経て、約10年ぶりに5人制に復帰した経緯を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)

 身長182センチ、金髪ボブのパワーフォワードが登場すると、待ってましたと言わんばかりに「あおいー!」と歓声が飛んだ。第1クォーター(Q)残り4分48秒、32歳の桂がWリーグデビューを果たした。「凄く感慨深い。高揚する部分は持ちつつ、でも今日は本当に冷静に、淡々と目の前のバスケットに向き合いたいと思ってコートに入った」。インサイドで体を張り、積極的にリングを攻めた。

 第3Q残り6分28秒には3ポイントシュート(3P)を沈めて初得点。アウェーにもかかわらず、会場からは割れんばかりの喝采が送られた。同残り26秒にも一時逆転となる3P。デビュー戦は20分33秒の出場で6得点、1リバウンド、2スティールを記録した。「ホッとしています。自分の中では合格点、及第点をあげたい」としつつ、「ビッグのディフェンスの課題が浮き彫りになった」と反省を口にした。

 その経歴はまさに異例だ。名門・桜花学園から早大に進学。4年時にはインカレでMVPに輝き、優勝に貢献した。年代別日本代表も経験したが、卒業後は三菱商事に入社。一度は競技から離れた。3年のブランクを経て、3×3で競技復帰。商社での勤務を続けつつ、2021年には3×3プレミアリーグで優勝を果たした。翌年、三菱商事を退職。同年4月に3×3クラブ「Dusseldorf ZOOS」を設立した。


目を輝かせてプレーする桂葵【写真提供:Wリーグ】

■5人制で楽しみにするチームケミストリー「ワクワクしてもらえるバスケできる」

 選手兼オーナーとして、FIBA 3×3 Women’s Seriesに2022年から参戦。同年、世界5位の実績を残した。その後もSNSで積極的に活動を発信してきたが、今年9月2日にはトヨタ自動車入団を電撃発表。「人生のプランに全くない選択肢」だったWリーグ入りを果たした。高校の先輩でもある大神雄子ヘッドコーチに誘われて練習に参加したのがきっかけ。5人制の中に「自分の進化」の可能性を感じた。

「ボールをついたりリングにシュートを打ったりという共通点はもちろんあるが、本当に別競技だと感じている」。特に違いを実感するのが戦術面。3人制のほうが変数が少ない分、自分たちでコントロールできる部分が多い。「5人制はコートに10人いて、変数のかけ合わせでいろんなパターンの戦術が絶え間なく発生し続ける。そこに40分かけてアジャストしていくところが凄く違う」と説明する。

 改めて「バスケが上手くなる」ことを純粋に追い求めて選んだ新たな道。チーム全員でケミストリーを生み出すことを楽しみにしている。「この12人がかみあって爆発したときに、見ている人にワクワクしてもらえるようなバスケができるんじゃないかというイメージがある。そこに可能性を感じている。その瞬間を少しでも早く、長く引き出したい。みんなで作っていきたい」と目を輝かせた。

 新人ではあるが、年齢的にはベテランの域。「まだ自分自身何ができるか全然わからない。どういう役割になるか全然つかめていない」としつつ、異色の経験を生かして「若手の背中を押したい」とも意気込む。会場には「ZOOS」Tシャツを着たファンの姿も。「今までの3×3の桂葵らしさとはまた違う“らしさ”を探していきたい」。オールドルーキーの「ゼロからの挑戦」は始まったばかりだ。(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku)

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