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山下美夢有「お待たせしました」 2位×8から今季初優勝、涙の母も信じた「また、美夢有が勝てる時」

THE ANSWER / 2024年10月13日 18時21分

富士通レディースで優勝した山下美夢有【写真:Getty Images】

■富士通レディース最終日

 女子ゴルフツアーの富士通レディース最終日が13日、千葉・東急セブンハンドレッドC(6697ヤード、パー72)で開催され、2年連続年間女王の山下美夢有(加賀電子)が古江彩佳(富士通)とのプレーオフ(PO)を2ホール目で制し、今季初優勝、通算12勝目を飾った。6位で出て8バーディー、2ボギーの66で回って通算14アンダー。最終18番パー4では、13メートルのパーパットを決める勝負強さを発揮した。今季は全米女子プロ選手権も含めて2位が8度。メダルを逃したパリ五輪(4位)でも悔し涙を流したが、会見では「勝てないとは思わなかった」「常に勝つイメージを持っていた」などと振り返った。

 優勝会見の会場に入ると、山下は微笑みながら言った。

「みなさん、お待たせしました」

 今季国内ツアー出場19試合目でつかんだ優勝。古江とのPOを制した瞬間の思いを問われると、即答した。

「『最高』って思いました(笑)。やっぱり、2位とは違うなと」

 文字通り、苦しみ抜いて手にした通算12勝目だった。自身の中では、初めて年間女王になった2022年シーズンがベストの状態で、現在のショットは「60点」。この日も決して調子は良くなかったが、11番パー4まではパットが決まって7バーディーとし、2位に3打差をつけて首位を走っていた。

 しかし、13番パー3と14番パー4では連続ボギー。古江に追いつかれ、最終日のバックナインでスコアを落とす「今季のこれまで」を感じさせた。最終18番パー4もミスの連続で13メートルのパーパットを残した。「もう、入れるしかない」「とにかく届かせよう」「そんなにフックしないライン」。そう決めてストロークしたボールが勢い良くカップインし、POにつなげた。

「あの距離はなかなか入らないですし、『ラッキー』と思いました」

 グリーン脇ではギャラリーとともに両親が歓喜していた。そして、POの2ホール目でのパーセーブで決着。優勝スピーチで山下が涙声で「いつも側で支えてくれている家族に『ありがとう』と伝えたいです」と言うと、母・有貴さんも涙をこぼした。

「勝てて良かったです。『今年はこういう感じだけど、また、美夢有が勝てる時が来るから』と話していたので……」

■下の世代に刺激も「『勝てない』とは思っていませんでした」

 山下自身も「勝てない」と思っていなかった。

「ずっと勝つイメージでプレーしてきました。下の世代は勢いがあって刺激にはなっていましたけど、(今季中に)『勝てない』とは思っていませんでしたし、こうして勝てたので『よしっ』という思いです。残り6試合でも勝てるようにしたいです」

 2週前の日本女子オープンでは、竹田麗央らとの優勝争いに敗れて3位。前週のスタンレーレディスホンダでは、発熱のため初日の途中で棄権した。その後、自宅で静養したことが功を奏して、体調がみるみると回復し、速くなっていたスイングのリズムがよくなったという。

 今大会初日の夜に合流した父でコーチの勝臣さんからも「テンポが大分、良くなっている」とお墨付きを得て第2日、最終日をラウンド。本人の中では「まだ、クラブにボールが当たった時の音が良くない状態」というが、上向きであることも自信にしてプレーを続けていた。そして、勝てたことで山下は「次につながる」とも言った。年間女王争いでは、既に今季7勝の竹田が1位で山下は541.40差で2位。残り6試合で2勝はしないとその差は埋まらない状況だが、3年連続でのタイトル獲得もあきらめていなかった。

「竹田麗央さんは本当に素晴らしい選手だなと思います。でも、私は私のプレーをして残り試合は精いっぱい頑張りたいです。そのためにもショットを直していきたいです」

 今季、海外メジャー、パリ五輪でも優勝争いを演じたことで、米ツアー最終予選会受験を決意した23歳。今季最終戦を終えて海を渡る前、その存在感を示すつもりだ。(柳田 通斉 / Michinari Yanagida)

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