寺地拳四朗、11回TKOで2階級制覇 相手は鼻骨折&病院直行「折れていると分かっていた」 カネロ生観戦
THE ANSWER / 2024年10月13日 21時12分
■WBC世界フライ級王座決定戦
ボクシングのWBC世界フライ級(50.8キロ以下)王座決定戦が13日、東京・有明アリーナで行われ、同級1位・寺地拳四朗(BMB)が同級2位クリストファー・ロサレス(ニカラグア)に11回6秒負傷TKO勝ちした。2団体を統一したライトフライ級に続き、2階級制覇を達成。階級転向初戦で迎えた世界戦だった。戦績は32歳の寺地が24勝(15KO)1敗、29歳のロサレスが37勝(22KO)7敗。
力強さを増して戻ってきた。寺地はステップを刻み、得意のジャブでリズムをつくった。近距離ではガードを固め、2回にワンツーを着弾。3回には狙いすました右ストレートが炸裂し、よろめく相手を攻め立てた。4回、左構えにスイッチしたロサレス。寺地は打ち終わりにフックをモロに被弾するなど攻めあぐねる場面が増え、圧勝ペースではなくなった。
それでも6回、流血する相手をロープに追い詰めて強打連発。互いのパンチが激しさを増していき、左右を巧みに入れ替えるロサレスに拳をぶつけた。11回開始直後にロサレスにドクターチェック。鼻が大きく腫れ上がり、ストップがかかった。敗戦濃厚だったロサレスは力なく受け入れ、寺地は加藤健太トレーナーに肩車されて喜んだ。
リング上でマイクを握った寺地は「今回、めっちゃ緊張しかしていなかった。いつもより緊張した感じがあった。入場からあまり記憶がない」と吐露。「とりあえずホッとしてます」と安堵の表情を浮かべた。会見では「練習通り、自分のボクシングをブレずに突き通せた。それは良かった」と試合を振り返り、何度も「ブレずに」「自分のボクシングを突き通した」と繰り返した。
2階級制覇を達成した寺地拳四朗(左)【写真:中戸川知世】
寺地は1月の防衛戦で負傷した右拳を手術。かねてライトフライ級で4団体統一を目指したが、他団体王者との統一戦が実現せず。1.9キロ重い50.8キロのフライ級に転向した。減量苦から解放され、試合2日前の練習後はおかゆを食べる余裕も。「計量前日に食べられるのは初めて。奇跡です」と笑い、万全の仕上がりだった。
転向初戦で2階級制覇を達成し、「いいスタートが切れた」と笑顔。今後については「防衛戦か統一戦になると思うが、そこはまだわからない。どんな相手が来ても、自分のブレないボクシングができれば。進化していきたい」と展望を語った。鼻を骨折したロサレスは会見には現れず病院に直行。寺地は「折れているのもわかっていた。このままやるのかなと思っていた」と予想外の結末を回顧した。
ロサレスは日本に持参した体重計を調整期間中に使用していたが、実際の体重より軽く出てしまう誤差が生まれていた。前日計量2時間前に異変に気付くと、超過分の650グラムを大慌てで減量。直前までサウナスーツで汗をかき、なんとか一発パスしていた。
さらにこれまでカネロこと世界4階級制覇王者サウル・アルバレス(メキシコ)の合宿に参加。階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」で長く1位に君臨した世界的ボクサーのカネロが師事するエディ・レイノソ氏の指導を受けた。この日はカネロが陣営入り。いかついサングラスをかけ、控室からともに入場し、リングに上がって後押しした。(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku)
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