SNSで就活成功も「元々反対派でした」 ドラフト指名目指す30歳、海外移籍で変わった“付き合い方”
THE ANSWER / 2024年10月19日 6時44分
■メキシコ→2軍球団と移籍、平間凜太郎がSNSで発信する理由
スポーツ選手とSNSの関係が議論を呼んで久しい。ネット上での誹謗中傷は、競技団体やチームが何度止めるように呼び掛けても収まる気配がない。一方では、選手が自ら世間に対し“発信”できるという便利な側面もある。SNSへの投稿がきっかけとなって、海外リーグへの移籍にも成功したことのある選手に、SNSと付き合う上での考え方を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部、羽鳥慶太)
今季からプロ野球の2軍、ウエスタン・リーグに参戦している新球団「くふうハヤテ」で投げる平間凜太郎投手は、SNSを利用した“就活”に成功したことがある。昨秋、独立の四国アイランドリーグplusの高知を退団し、海外のウインターリーグでのプレーを目指した。代理人を介してもなかなかうまくいかない中で、自身が操る“魔球”の動画をインスタグラムに投稿してみたのだ。
平間の投げるカーブは、縦に大きく曲がり落ちる軌道が特徴。NPB投手の平均が2500回転と言われるところ、3000回転を軽く上回るという規格外のボールだ。強烈な変化を端的に示す動画に、反応はすぐに届いた。投稿翌日には、2022年にプレーしたことのあるメキシコの名門「メキシコシティ・レッドデビルズ」からダイレクトメールが寄せられ、3日後には移籍が決まった。ただ、平間は言う。
「僕は元々、SNSには反対派だったんです」
自分のあずかり知らぬところで批判され、時には直接刃が向けられるという負の側面は知っていた。それくらいなら手を出さないほうがいいと思っていた。その価値観が一変したのが、海外への移籍だったという。
2022年の春、平間は初めての海外となるメキシコへ移籍した。その際、所属していた高知の選手から「僕たちを見捨てるんですか」「平間さんが何をやっているか知りたい」という声が寄せられたのが、SNSを始めるきっかけとなった。「だから、最初はおどされて始めたようなもんです」と笑う。
■言葉を超えたコミュニケーション「自分はこういう人間だと…」
平間は外国語を流暢に操るわけではない。それでも異国で成功しようとすれば、いかにチームメートに受け入れてもらえるかが大きなカギを握る。そこで、SNSでの発信が有用だと気づいたのが昨冬の移籍だった。「年齢、人種、性別関係なく、自分はこういう人間だって知ってもらえるじゃないですか。投げていたのは16歳以上のリーグだったので、それこそ高校生にまでいじられていましたよ」。他にも知っている単語でどんどん話しかけた。効果はすぐに表れたという。
「僕が興味を持っていると、彼らに思わせることが大切。それで僕がやりやすくなったんです。SNSは『僕はここで楽しんでいるんだ』というアピールの一つでした。僕を理解してもらうための一つの道具。平間凛太郎はこんなモノマネが得意で、投げ方も変わっているやつなんだと」
実はこの行動は、2022年の夏季にメキシコでプレーした時の反省もあるという。「1回目に行った時には、そこがあまりうまくいかなかった。何人かとは仲良くなったんですけど、何人かだけだったんです」。2度目の挑戦となった昨冬は、プレーオフを含む6試合に投げ2勝1敗、防御率1.69。技術の向上はもちろんだが、自分の居場所を切り開いたことも好成績の理由だった。
くふうハヤテでプレーする今季も、発信は続けている。「平間飯」と題した料理の模様、練習風景や好投した動画をインスタグラムなどで公開している。現在のところ、誹謗中傷が届いたりしたことはほとんどないという。
「今のところそんなにないですね。近すぎず、だけど普通の選手より近いという距離感をうまくとるのも一つの勉強だし、一つの武器になるのかなと思います」
30歳の平間には信念がある。「野球選手である以上、応援してくださる人を楽しませなければ」。そしてもう一つが、自分の経験や失敗を、誰かに生かしてほしいとの思いだ。楽しく、役に立つ発信を今後も続けて行くつもりだ。(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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