「まだまだじゃないっすか」 初戦敗退の東海大相模、156球完投の福田拓翔がドラ2先輩から受けた“愛ある金言”
THE ANSWER / 2024年10月28日 6時33分
■山梨学院にサヨナラ負け…来春の選抜出場が絶望的に
第77回秋季関東地区高校野球大会は27日、横浜市のサーティーフォー保土ヶ谷で1回戦2試合を行い、東海大相模(神奈川)は延長10回タイブレークの末、5-6で山梨学院(山梨)にサヨナラ負け。来春の選抜甲子園出場が絶望的となった。24日のドラフト会議で、日本ハムの2巡目指名を受けた藤田琉生投手(3年)も応援に駆け付ける中、先発の福田拓翔投手(2年)は6失点ながら完投。先輩の愛ある金言を胸に、冬の成長を期す。
もがきながらも、最後まで1人で投げ切った。10回までマウンドに立ち続けた福田は6失点(自責4)、156球で完投。奪三振は2桁の10個を数えたが、被安打も12本に上った。自慢のストレートは初回、この日最速となる146キロを記録。ただ中盤になるとそれが130キロ台に落ちた。走者を背負った場面でも球速が落ち、狙い打たれた。
6回までに5失点を喫したが、7~9回は意地の無失点。すると打線も、逆転勝ちの連続で甲子園にたどり着いた今夏のように、終盤得点を重ねて追い上げた。3-5の9回、2死満塁から押し出し四球と、山口寛太外野手(2年)の左前適時打で同点。ただ最後はタイブレークの延長10回、無死一、二塁から福田が内野安打2本を許し、サヨナラ負けを喫した。
1人で投げ切るというエースの役割を、新チームでは求められていると言う福田は「10回投げ切れたんですけど、スピードがだんだん落ちてきた。もうちょっと走って体重を増やして、後半も落ちない球をテーマにしてやっていきたい」と、冬の課題を明確に語ってみせる。
メガホンを片手に応援に駆け付けた藤田琉生投手【写真:編集部】
苦しむ後輩の姿を、先代エースもスタンドから見守った。応援席に姿を見せた藤田は「技術面はあいつの好きにしたらいいと思う」と、背番号1を受け継いだ福田の実力を認めながらも「まだまだじゃないっすか」と変化を促す。マウンドで不満があっても「そういう時は顔に出すな」と苦言を呈し続けてきた。自身もそう指摘されたことがあったからだ。「それをきっかけに変わることができた」と今では感謝する言葉を、後輩にも贈る。
福田も「藤田さんの自分に厳しい練習とか、自分のピッチングでチームを変えたり、勝たせたりを見てきた」と、エースがチームに及ぼす絶大な影響力を間近に見てきた。「まだそこには自分は足りない」と痛感させられる部分だ。
冬を前に、課題が明確になったマウンド。技術も心も磨いた先に「プロの道がある」と理解している。藤田も春から夏の間に急成長し、プロの評価を2巡目指名まで上げた。福田も同じ道を歩けるか。「自分たちのためにも、何が何でも甲子園に出たい」とキッパリ。来夏のリベンジを見据え、すぐに動きだす。(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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