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世界と比べたニッポン柔道女子の課題 初の女性監督・塚田真希氏「階級によってかなり差がある」

THE ANSWER / 2024年11月3日 9時23分

監督として初めて視察し柔道の講道館杯を振り返る塚田真希女子日本代表監督【写真:編集部】

■塚田真希新監督が講道館杯視察

 日本柔道界が、新体制のもとで2028年ロサンゼルス五輪に向けてスタートを切った。強化指定選手の選考を兼ねる講道館杯が2日、群馬・高崎アリーナで開幕。初日は初の女性代表監督となった塚田真希氏(42)が見守る中で、女子7階級が行われた。

 就任後初めて代表選考に関わる大会を視察した塚田新監督は「緊張しながら来ました。ここから始まるので」と4年後のロス五輪を見据えて話した。代表監督として全階級を見た印象について「階級によって、かなり差がある。早めに対応を練っていく必要がある階級もある」と、現状に課題があることを口にした。

 さらに、海外で結果を出しながら国内の代表選考を勝ち抜き、再び海外に出ていくという現状の強化法にも言及。「望ましい形ではあるけれど、それが機能していない階級もある。国内の選考を勝ち切ることは大切だけれど、力がある海外の選手との対戦に向けてどう準備していくかということも必要」と話した。

 もっとも、選考から強化へのプロセスを一気に変えることは難しい。海外では早々と選手を絞り込んで国際大会での経験を積ませるパターンもあるが「選手層が厚い日本では国内での競争もあるし、難しい」と山田利彦新強化委員長は説明した。

■塚田新監督が吐露「やり方を模索する時間があるのかも手探り状態」

 パリ五輪の女子7階級優勝者が全員異なる国だったように世界の女子の実力は拮抗している。その中で結果を求められるのが代表監督。塚田監督も「国内選考と海外選手対策、いろいろなやり方を模索する時間があるのかも手探り状態」と苦悩を吐露した。

 パリ五輪代表が出場していない今回は、ロス五輪に向けて新戦力の台頭が期待される大会。78キロ級で復活優勝した16年リオデジャネイロ五輪代表の梅木真美(29=ALSOK)らベテラン勢を「勝ち切るという意味では年齢は関係ない」と評価したが、世代交代が進まない階級があるのも事実だ。

 今後はパリ五輪組も加わって、来年の世界選手権、さらに4年後のロス五輪に向けての競争が始まる。「バランスをとりながら、選んでいきたい」と選考だけでなく、海外対策も考えながら話した。12月のグランドスラム東京は新監督にとって初の国際大会。「今回代表に選ばれた選手は1か月、(海外勢対策を)しっかりと練ってほしい」と期待を込めて話した。(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一
1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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