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陰で言われた「日本で受けた方が…」 4度目で「プロテストが全て」の重圧克服、日米で戦う山口すず夏が涙

THE ANSWER / 2024年11月4日 10時33分

4度目のプロテストを受験し、14位で合格した山口すず夏【写真:Getty Images】

■JLPGA最終プロテスト

 2024年度の日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)最終プロテストは、1日まで茨城・大洗GC(6602ヤード、パー72)で4日間行われ、上位26人が合格した。24歳・山口すず夏は5バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70で回り、通算1オーバー。14位となり、プロテスト受験4度目、最終は3度目での合格を掴んだ。米ツアー参戦経験もある実力者だが、大きな重圧について涙ながらに語った。

 24位からのスタート。前半で2つ伸ばし、合格へ視界良好で迎えた12番パー4。木に当ててしまい、ダボを叩いた。「あ~……また試練きた」。1打のミスが命取りになりかねない舞台。弱気になりかけた自分を奮い立たせた。

「調子自体は悪くなかったので、今できる精一杯をやるだけだと思っていました」。14、15番でミスを挽回する連続バーディー。最終18番でバーディーパットを外し、アテストに向かう途中で天を仰いだが、緊張からも解き放たれた。

 2015年、全米女子オープンに14歳で出場。18年にはオーストラリア女子アマチュア選手権で優勝を果たした。その後、19年の米ツアー出場権を獲得し、18歳でプロ転向を表明。21年まで米ツアーで戦った。海外での実績をひっさげ、同年から日本のプロテスト受験を始めたが、なかなか関門を突破できなかった。

 今回は10月25日まで米ツアー出場権を争う2次予選会(QT)に参加。12月に行われる最終QT進出を決め、プロテスト初日の2日前にフロリダから帰国した。疲労で飛距離が落ちていることも実感しつつ、「守りより攻めの気持ち」で戦い抜いた。合格を知り、思わず涙がこぼれた。

「テスト受け始めてからは、テストが全てみたいな感じで、プレッシャーが凄くて……ゴルフ辞めたいなって思った時もあったんですけど、応援してくれる人がたくさんいたし、一番に家族が信じてくれていた」

 高校を卒業し、すぐに米国へ渡った。「途中からずっと予選落ちが続いて苦しかった」。陰では「日本のテストを受けておいたほうが良かったんじゃないか」と言われたことも。ショットの状態が戻らず、22年のプロテストでは2次敗退。「半分無理だと思ってやっていた」と厳しい時期を振り返る。

 それでも世界最高峰での経験は、無駄ではないと確信している。今後は日米のQTを受験するが「一番は、向こう(米国)の試合で勝ちたい気持ちが強い」ときっぱり。時折、目元をティッシュで拭きながら心境を明かした24歳は「根の性格は明るい方。見てもらっている人に、楽しいと思ってもらえるゴルファーになりたい」と話した。(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)

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