柔道男子、“日本の課題”100kg級に現れた新戦力 鈴木代表監督も評価「対外国人という意味で…」
THE ANSWER / 2024年11月4日 13時33分
■柔道講道館杯
28年ロサンゼルス五輪に向けて、若い力が飛び出した。柔道の講道館杯最終日は3日、群馬・高崎アリーナで男子7階級が行われ、73キロ級で20歳の田中龍雅(筑波大)が初優勝。大学生4人が優勝するなど新戦力の台頭に、男子日本代表の鈴木桂治監督は「全階級を通して若手が頑張ってくれた」と喜んだ。
田中の優勝は鮮やかだった。決勝では内村秀貴(自衛隊)を相手に開始45秒、得意の背負い投げで一本勝ち。ロス五輪へのスタートとなる大会を制して「今大会は大事だと思っていた。ピークを持ってくることができた」と話した。鈴木監督も「田中は素晴らしい。もっともっと高いレベルで戦える選手」と期待した。
「日本の課題」と言われてきた100キロ級は22歳のグリーンカラニ海斗(パーク24)が優勝、18歳の三木望夢(国士舘大)が準優勝。「これから難しくなると思っていた100キロ級で三木、グリーンが出てきた。対外国人という意味で投げる技をもっている」と評価した。
一方で、課題もみえた。先月の世界ジュニアで活躍した選手たちが結果を残せなかったことだ。90キロ級の川端倖明(国士舘大)は準優勝したが、60キロ級の福田大和(天理大)は3回戦敗退。「試合が続く中で苦しいとは思うが、元気がなかった。ジュニアとシニアの連携が重要になる」と厳しい表情で言った。
今大会の結果をもとに12月のグランドスラム東京大会の日本代表が決まる。今回出場していないパリ五輪組やベテラン勢と競り合いながら4年後のロスへの戦いが始まる。鈴木監督は「今回だけでなく、これを積み重ねていくこと。勝ち続けることで、代表という道も開ける。まだまだ付け足すことはある」と、ロス五輪を目指して話していた。(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)
荻島 弘一
1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。
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