目の当たりにした羽生結弦の「裏側」 ジェイソン・ブラウン、日本の仲間に学んだ「決意」「平静さ」【フィギュアNHK杯】
THE ANSWER / 2024年11月9日 9時34分
■インタビュー後編「日本選手から学んだこと」
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦・NHK杯は8日、東京・代々木第一体育館で男子ショートプログラム(SP)が行われた。3季ぶりにGPシリーズに参戦している29歳のジェイソン・ブラウン(米国)が演技後にインタビューに応じ、日本への愛や羽生結弦さん、宇野昌磨さんから学んだことを明かしてくれた。前後編でお届けする後編では「日本選手から学んだこと」について。(取材:THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)
――美しいスケーティングが持ち味のあなたから見た、鍵山優真の印象は。
「素晴らしい!! ユウマの大ファンです!! この競技にいろいろなことをもたらしてくれていると思うし、(コーチの)カロリーナ(・コストナー)と2人で美しさを追求している。成熟し、どんどん伸びてきているので、ファンとして見るのを楽しみにしているよ」
――この大会は、あなたもよく知る田中刑事さん、宮原知子さんが公式アンバサダーを、本郷理華さんが大会レポーターを務めている。
「(近くにいた宮原さんの方を指差し)見てよ!(笑) ケイジ、リカ、みんな新しい役割になっているので面白いね。一緒にやってきた人たちが、コーチやメディアの人間になっていたりしているから」
――共に大会に出場してきた羽生結弦さん、宇野昌磨さんも競技から離れたが、2人に対する思いは。
「私が一緒に競技で育ってきた仲間だから、彼らが競技の中で成長し、プロとして競技外で成長しているのを見ると、凄いなと私自身も感銘を受けています。この競技のいいアンバサダーになってくれていると思う。たくさんの方にインスピレーションを与えていると思うし、ユヅルとは一緒にトレーニングをして、毎日本当に、他に誰もいない程の努力をしているのを見てきたから、凄く学びになったんだ」
――羽生さん、宇野さんの2人から学んだことは。
「ユヅルに学んだ一番のことは、決意。どれ程ハードな練習を重ねてきたか、見てきたんだ。自分が今日達成したいことを達成するまでは、氷を降りないという凄い決意がある。それだけの情熱と原動力を持って、練習に臨んでいる。そこが素晴らしいと思ったよ。大会だと簡単にやっているように見えて『彼だから簡単で問題なく、ミスなくやるんだ』と思っていたら、実はその裏側のものすごい練習量を見て、なぜあれほどのスターになったのかよく理解できたよ。
ショウマは常に平静なんだよね。どんなに悪いことがあったり、練習でも大会でも、フラットに練習に臨んでいる。ポジティブで、冷静沈着。なににも揺るがされない、その精神が凄いと思ったよ」
――今季のプランについて。競技会に出ているスケジュールはハードか。
「ハードでしょ!(笑) フルシーズン滑り切るということ、毎回プログラムをきちんと滑ることができればいいけれど、それができていない。でも、その中で手応えは感じているんだ。クリーンなスタートではないけれど、もともとの目的は早めに始めて、でこぼこのある中で自分が軌道に乗ること。完成品で競技に臨めるようにしたいので、大会を十分に体験してから100%を出したい。この調子で頑張ります!」
――今後の目標は。
「プログラムを滑り込んで、自分のイメージ通りになるようにしたいね。大会で本番を重ねていけることは、シーズン後半にプラスになる。とにかく滑っていくこと。毎回毎回の大会で、プログラムで学ぶところを得ていきたい。シーズン後半には『大丈夫、ばっちりできる』という形にしたいと思っているよ」(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)
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