坂本花織、今季最高SPの直前に泣いていた 理由は「たっちゃん」の演技、メイク崩れを避け“垂直”に落とした涙
THE ANSWER / 2024年11月9日 7時13分
■GPシリーズ第4戦・NHK杯
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦・NHK杯は8日、東京・代々木第一体育館で女子ショートプログラム(SP)が行われた。世界選手権3連覇中の坂本花織(シスメックス)が今季世界最高の78.93点をマークして首位発進。「予想を上回ったのでびっくり」と喜びを口にした。演技前には涙を流したことも明かし「自分もやらなきゃと凄く思った」と語った。
国内で開催されるGPシリーズ。NHK杯ならではの緊張感に、会場入りする前から襲われていた。「メイクに支障が出るくらい。アイライナーがなかなか引けない程、手が震えていた」。勇気づけられたのは、それまでに演技した3カテゴリーの日本人選手。特に、同じシスメックス所属の壷井達也の滑りに心震えた。
代々木第一体育館に向かうバスの中で、男子シングルの結果を知った。鍵山優真、三浦佳生、壷井の日本勢がトップ3を独占。85.02点で自己ベストを更新した壷井のガッツポーズに、坂本は思わず涙した。
苦戦したメイク完了後。「泣いたらあかん」。抑えられない涙を、真下を向き、地面に対して垂直に垂らした。メイクが崩れないよう、抵抗した。NHK杯を迎えるまで、練習場を2人きりで貸し切り、切磋琢磨することが多かった間柄。会場で対面後は、両手でハイタッチを交わした。
「(壷井は)これでもかってくらい、曲かけてかけてかけてかけて……4回転サルコーを曲の中で降りられるように、何回も何回もやっていた。曲かけの順番も“たっちゃん(壷井)たっちゃんたっちゃんかお(坂本)、たっちゃんたっちゃんたっちゃんかお……”みたいな。花織が4回に1回くらい(笑)。めちゃくちゃ練習していたので」
勇気づけられての会場入りで、悪い緊張感は良い緊張感に変わっていた。大トリの最終12番滑走。冒頭の2回転アクセルを決めるなど、世界3連覇女王の実力を見せつけた。「今年は世界選手権の4連覇というより、来シーズンの五輪シーズンに向けて。今年の1試合1試合が来年に響く。この2シーズンは繋げて、ひとくくりで取り組んでいる。最終目標は、五輪でいい演技をすること」と語った。(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)
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