コワモテ関西人と思ったら…日本期待のゆなすみペア、結成して分かった人間性「実はすごいユーモアが…」【一問一答】
THE ANSWER / 2024年11月10日 18時14分
■フィギュアスケートNHK杯
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦・NHK杯は10日、東京・代々木第一体育館でエキシビションが行われ、各スケーターたちが観客を魅了した。ペアで7位となった「ゆなすみ」こと長岡柚奈、森口澄士組は筋肉自慢のコミカルなエアロビ演技を披露。一夜明けの取材にも応じ、第5戦のフィンランド杯に出場が決まったと明かした。結成2年目。改めて感じたお互いの印象なども笑いを交えて語った。
エキシビションの演技前、フィンランド杯出場が会場にアナウンスされ、祝福の拍手を浴びたゆなすみ。エアロビ衣装に身を包み、仰向けになった森口が長岡の体をバーベルのように両腕で持ち上げるトレーニングを披露した。開始5秒で観客のハートをわしづかみにすると、エネルギッシュなパフォーマンスで会場を魅了した。
今大会はショートプログラム(SP)で自己ベストの60.32点をマーク。世界選手権出場に必要なミニマムスコアも突破した。フリーではミスもあり、112.15点。合計172.47点の7位だったが、1年前にも出場した大会で成長した姿を見せた。
以下、一夜明け取材の一問一答。
――改めて、一夜明けての思いは。
長岡「ホテルに帰ってジャッジスコアを見て、良かったところもなくはなかったんですけど、もっと出来たよなと思うところがたくさんあった。練習でうまく行っていたところが本番で出せなかったことが改めて悔しい。次に向けて、すぐ切り替えて練習していきたい」
森口「悔しい気持ちがあったけど、次につなげるために自分たちの良かったところを見つけようと思ったら、悪いところばかりではなかった。次に活かせるようにやっていきたいと、今は気持ちが切り替わった」
――具体的に良かった点、課題は。
長岡「成果として、私たちにとってはベストじゃないリフトだったけれど、それでもプラスの評価を得られたことは自信に繋がる。最大限いいリフトをできれば、もっと加点をもらえるんだなって認識できたので良かった。反省すべき点としては、スロージャンプ、サイドバイサイドジャンプで失敗してしまったこと、リカバリーでその後のトウループにアクセルをつけたんですけど、繋ぎの面で合わなくなったところがあったので、演技が途切れる印象を与えてしまった。そういうことを想定して練習しないといけない」
森口「全く同じ意見です。全て思っていること、同じことを(長岡が)言わはりました(笑)」
――銀メダルだった先輩の「りくりゅう」こと三浦璃来、木原龍一組とは話したか。
森口「昨日はお二人が忙しそうすぎて、メダルセレモニーもあるし、コーチとのミーティングもあったりして声をかけるタイミングがなかった。とりあえず『お疲れ様でした』というタイミングをずっと探していて、言えて。昨日はっきり言えてなかったので今朝も言って(笑)。龍一君からは『しっかりフィンランドで頑張れるように、怪我しないようにね』と話していただきました」
長岡、森口が組んだ当時は知らなかったお互いの一面を明かした【写真:荒川祐史】
■知らなかったお互いの一面、コワモテの森口は「すごい研究熱心」
――ミニマムスコアを突破した思いは。
長岡「昨季から世界選手権に出るためにミニマムスコアを目標にしていたが取れず、世界選手権に出れずに終わって、2人とも悔しくて。来季は絶対に出て、出るだけじゃなくて結果を残せるペアになりたいねと話していた。第一の目標として、凄く嬉しかった」
森口「支えてくださった方に成果を見せられたというか、安心した気持ち。感謝を忘れず、世界選手権に出るだけじゃなくていい結果を残せるような選手になれるように。これからも支えてくださっている方がいることを忘れずに頑張りたい」
――全日本選手権に向けてどう調整するか。
長岡「ミニマムスコアは取れたけど、世界選手権に派遣できるレベルと認めてもらえるように、しっかりした演技を見せないといけないと思う。今回ショートはできたけれど、フリーは納得いかない演技だった。ショートもフリーも納得いく演技ができるように練習を積んで、世界選手権に派遣するくらいのレベルであるとちゃんと証明できる演技ができるように頑張りたい」
森口「全日本では世界選手権で戦っていけると思えるような演技ができるように、土台作り、僕たちが頑張っている一貫性を磨いて、頑張っていければ」
――昨日、ホテルに帰ってからはどう過ごしたか。
森口「昨日の夜はオランダの男子選手と焼肉を食べに行ったぐらい(笑)。で、寝ました」
長岡「アイスダンスの(吉田)唄菜ちゃんと、夜ご飯をホテルで食べて、スケートについて語り合ったり、ミニマム取れてよかったよねとか、ここまで頑張ったよねとか、全日本も頑張ろうねとか、いろんな話をしました」
――ブルーノ・マルコットコーチに言われた印象深いアドバイスはあるか。
森口「心の中に留めているのは『スピードあるけど、でもコントロールできてる』というところ。僕たちはスピードがあるのが持ち味。でもしっかりそれをコントロールできていることを見せないと……と、心に残っている」
長岡「今、澄くんが言っていて、確かに言われたなって思ったのが、私たちは車で言ったらフェラーリくらい馬力があって『ブーン』ってスピードが出るけど『運転の仕方が分からなかったから事故を起こしてしまうよね』みたいな例を出されて。スピードがあってもコントロールできないと駄目だよねっていう話をされたのは印象に残っている」
――試合の場数を踏んでいくのが大事だと思うが、大舞台で実際に演技して感じた部分は。
森口「僕たちは練習のときから結構、敢えてプレッシャーをかけたりとか、そういう練習をしてるんですけど、こういう大きな舞台って練習では絶対に感じられないプレッシャーだったり、観客の皆さんからもらえる温かい気持ちだったり、会場でしか味わえないいろんな感情がある。すごく特別なものになるし、世界選手権も観客の皆さんが多いと思うので、すごくいい経験にもなる。こうやってこの大会に招待していただいて、すごく有意義なものにできたんじゃないかなと思う」
――昨年5月結成。お互いに、組んだ当時は知らなかった一面はあるか。
森口「すごくストイックだなと。ペアスケーターにすごく向いていると思う。人をフォローできる力が柚奈ちゃんにある。柚奈ちゃんの強みでもあるし、このチームの強みにもなっているので、そこはすごくいいと思う。試合前になったらすごくストイックになるので、僕も結構めちゃめちゃ追い込みたいタイプだから、行く方向が一緒でやりやすい。いいスケーターだなと思います」
長岡「初めて会ったときは、関西人だし、なんか……コワモテ(笑)。怖そうっていう勝手な印象だったんですけど、実はすごいユーモアは溢れるというか、ずっと冗談を言っていて、面白い一面もありながら、すごい研究熱心。『昨日の夜さ、ツイストのさ、この人の動画見てたらさ、こうやったらいいと思うんだよね』とか、朝の練習のときに言ってきて、2人でやってみようとか。結構いろんなペアの動画を常に見ている。向上心で溢れていると思います」
――フィンランド杯で、海外GPデビュー戦になる。
森口「初めての2戦目は僕たちの中で嬉しくて感動してます。すごくありがたい」
――サウナ好きとしても嬉しい。
森口「敢えて言わなかったんですけど(笑)」(THE ANSWER編集部)
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