「本来4番を打てる」 それでも牧秀悟を6番に置く井端監督の理由 侍Jが掴みつつある国際大会の戦い方
THE ANSWER / 2024年11月16日 7時33分
■ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は15日、台湾・台北ドームでオープニングラウンド・グループBの日韓戦を行い、日本代表「侍ジャパン」が6-3で逆転勝ち。このグループでの成績を2勝とし、同じく2勝の台湾とともに首位に立った。5回に逆転2点適時打を放った牧秀悟内野手(DeNA)は、今大会での定位置は6番打者。井端弘和監督はその理由を明かした。
2-3と1点を勝ち越された直後の5回、2死から四死球3つで満塁のチャンスが回ってきた。ここで打席に立ったのは「6番・一塁」で先発した牧。このタイミングでマウンドに上がった韓国4番手のイ・ヨンハが外角に投じたスライダーをうまく拾うと、鋭いライナーが中前へ抜けていった。日本が4-3と逆転。その後も加点し逃げ切った。
試合後の井端監督は「本来、4番を打てると思っている打者だけど、より多くチャンスで回ってくるところで行ってもらっている」と、意外にも映る6番起用の理由を明かした。13日の豪州との初戦でも6番で先発し、7回に適時打。日本一に輝いたDeNAのポイントゲッターとしてシーズン23本塁打、73打点を稼いだ牧をここに置くのは計算ずくの采配だ。
さらに、この打席は代わったばかりの投手にいきなり痛打をお見舞いしたことにも価値がある。国際大会では、各国が1点を防ぐ作戦を取り、リリーフを積極的に注ぎ込んでくる。自ずと打者は投球に目を慣らす機会がなくなる。初見の投手をどう攻略していくかは、勝ち抜く上での大きな要素だ。
井端監督は、相手が実に12投手を注ぎ込んできた豪州戦を振り返り「あれで慣れてくれたのではないか」という。国際大会の流儀をナインが身をもって感じたことで、気の持ちようも変わったのかもしれない。7回に飛び出した森下翔太外野手(阪神)の2ランも、韓国6番手のチョン・へヨンの代わりばなを叩いてのものだった。
「勝ててラッキーだった。どちらに転んでもおかしくなかった」と指揮官。勝ちを積み重ねる中で、ナインは確実に国際大会の戦い方をつかんでいる。(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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