「僕とは全然違う」 侍ジャパン遊撃争い、源田が紅林をうらやむワケ 将来へ“裏テーマ”進行中【プレミア12】
THE ANSWER / 2024年11月19日 7時43分
■台湾での4戦に全勝…紅林の好守称えた源田に聞いた
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は18日、台湾・台北でオープニングラウンド・グループBの3試合が行われた。天母球場では日本代表「侍ジャパン」がドミニカ共和国を11-3で破り、5戦全勝で東京ドーム開催のスーパーラウンドへ進む。雨が断続的に降り続く過酷な状況下での試合。今回の侍が課せられたテーマを象徴する場面があった。
日本が5-2でリードした5回、先頭で打席に立ったドミニカのデレオンは、日本の2番手・井上温大投手(巨人)から中前に抜けるかというゴロを放った。遊撃手の紅林弘太郎内野手(オリックス)は、二塁ベース後方でゴロを拾い上げ、そのまま流れるような動きで一塁にスロー。見事アウトをもぎ取った。
この時、テレビ中継に映し出されたのが、ベンチで両手を上げて喜ぶ源田壮亮内野手(西武)の姿だ。この大会では13日のオーストラリア戦、15日の韓国戦、そしてこの日のドミニカ戦で紅林が遊撃手として先発。16日の台湾戦と17日のキューバ戦では源田が先発した。「単純に、ナイスプレーっていう感じですよ」と言う源田は、9歳下の22歳・紅林をどう見ているのだろうか。
「肩が強くてダイナミックな感じですよね。僕とは全然違うと思います。肩があってうらやましいなと思っていますよ」
フットワークが身上の自身とはスタイルの違う守備で、初めての侍ジャパン入りを果たした紅林からは「結構いろいろなことを聞かれましたよ」という。自分からアドバイスをすることはないが、質問には一つ一つ答えていった。ただ中身は「それは……言えないです。彼の弱点を言うことになってしまうんで」と笑う。
紅林は打撃でも、6-3の9回2死満塁から、左翼へダメ押しの2点適時打を運んだ。追い込まれてからファウルで粘り9球目、内角の148キロを弾き返して勝利を決定づけた。「やる以上は全て勝つとみんな言っているので、勝てたのは何より」という源田も、チームを攻守で引っ張る紅林の姿を「どっしりしているなと。それが彼のいいところなんじゃないですか。性格面でもそうです」と頼もしげに見つめる。
台湾での4試合に全勝して日本へ帰る。大会前に金子ヘッドコーチは「源田に引き上げられて、若い二遊間がどうなるか楽しみだよね」と口にしていた。華麗な守備で、日本代表を何度も救った源田の後継者を、真剣に考えないといけない時期に来ている。勝ちながら経験をつないでいくという難しいテーマも、着々と進行中だ。(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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