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韓国の最速163キロ右腕がMLBよりNPBを目指すワケ グラブにカタカナ、語った日本野球への憧れ

THE ANSWER / 2024年11月21日 6時13分

韓国代表のキム・ソヒョン【写真:羽鳥慶太】

■敗退の韓国、まだ20歳の剛腕が抱く日本プロ野球入りの夢

 野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」はオープニングラウンドを終え、韓国代表はグループBで3勝2敗という成績で敗退、帰国した。15日の日本戦でもリリーフ登板したキム・ソヒョン投手(ハンファ)は、2022年に米国で行われたU-18W杯で日本と戦い、時速101マイル(約163キロ)の剛球を投じて話題となった右腕。そして今後は、チャンスがあればNPBへ挑戦したいのだという。グラブにはカタカナの刺繍が入った日本通。米大リーグよりも日本を目指す理由を教えてくれた。(取材、文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)

 キム・ソヒョンは、188センチという長身からサイドスローで投げ込む右腕。この大会では4試合に登板し、4イニングを無失点に抑えた。15日の日韓戦では7回2死からリリーフし、佐野(DeNA)を空振り三振。8回も続投し紅林(オリックス)を三振、坂倉(広島)に四球、桑原(DeNA)に中前打と走者をためたところで降板した。スイーパーやカーブも操るが、150キロ半ばの速球が最大の武器だ。

 茶色のグラブには「54キム・ソヒョン」とカタカナで刺繍が入っているほどの日本野球通。なぜかといえば「もしチャンスがあるようなら一度、NPBに挑戦できないかと思っているんです。高校の時から関心があって……」という野望を抱いているのだ。韓国プロ野球は、パワーを重視し米国の影響が大きいリーグ。その中でなぜ、大リーグではなく日本なのか。

「MLBは、打球がどれだけ大きく飛ぶかというリーグです。でもNPBは、点数を一点一点、守備と一緒に動きながら防ぐリーグです。守備の比重が高いほうが好きなんです」

 キム・ソヒョンが海外でも注目されるようになったのは、2022年の夏に米国で行われたU-18W杯だ。スーパーラウンドの日本戦で、韓国は日本に8-0の完勝。最終7回にリリーフしたキム・ソヒョンは、最後の打者で、のちに巨人入りする浅野翔吾から163キロの真っ直ぐで見逃し三振を奪った。それから2年が経ち、弱冠20歳でフル代表入り。今回の日韓戦は、どんな思いでマウンドに立ったのだろうか。

■日本野球の技術に興味、参考にしている名前がポンポン「タイセイ…」

「高校の時みたいに球速が出たわけではないんですが、一度してみたかった経験なので。韓国のために一生懸命投げるのはもちろんなんですけど、その中でどう投げれば抑えられるかと考えながら投げました」

 いつか叶えたい夢まで、イメージしてのマウンド。パワーよりも技術を磨き上げて戦う日本野球には、参考にしたい選手も多いという。普段からNPBの試合を見ているだけあって、具体的な名前がポンポン飛び出す。

「まず横山陸人選手(ロッテ)、大勢選手(巨人)ですね。特にフォームが似ているので。あとは宮城選手(オリックス)とか。宮城選手は利き手は逆ですが、投球スタイルが似ていると思っているんです。スローカーブを自信を持って投げているのが好きなんですよね。他にも学びたい選手はたくさんいます」

 キム・ソヒョンは、話題となったU-18W杯の最中に韓国プロ野球のハンファからドラフト1位指名されプロ入り。ただ現状では「今年は1軍と2軍を行ったり来たりで、ちょっと不安だったりもしました。ただ後半ちょっと良くなったので、来年はもっと成長できるんじゃないかと感じています」と、素質を完全に開花させているとはいえない。今季は37試合に登板し1勝2敗10ホールド、防御率3.76。それでも近い将来、韓国代表の強力なリリーフとなると見込まれ代表入りした。

「もっと、成長しないといけないな。まだまだ足りないと思わせてくれる大会でした」

 18日には豪州との最終戦でもリリーフ登板。こう言い残して球場を後にした。海外の選手にも、NPBの魅力は伝わっている。いつか日本のマウンドで、磨いた技術を披露する日が来るだろうか。(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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