英競馬で22馬身ぶっちぎり ライバルを全員騎乗停止に追い込んだ騎手が振り返る珍事「機嫌損ねぬよう…」
THE ANSWER / 2024年11月21日 6時43分
■英リングフィールド競馬場で行われたAWレース
欧州競馬で生まれた圧勝劇の反響が広がっている。現地19日に英国・リングフィールド競馬場で行われたレースで、序盤から先頭に立った最低人気馬が最後までほぼ追うことなく1着で入線。2着馬に何と22馬身もの大差をつけた。敗れた騎手全員に騎乗停止処分が下されるという珍事となった中、勝利騎手は“無欲”の勝利を強調している。
絵に描いたような独り旅だった。同日の第1レースに行われたハンデ戦(オールウェザー=AW3100メートル、5頭立て)。好スタートからしばらくして先頭に立ったサートンスタイル(牝4、LJモンガン、父アダーイ)はバックストレートに入ってからも手綱を抑えたまま逃げ脚を伸ばした。4コーナーを回ったところで鞍上のタイリース・キャメロン騎手はちらりと後ろを見て後続との差を確認。直線に入ってからもまったく手綱をしごくことなく、ゴール板を駆け抜けた。
勝ちタイムは3分39秒07。2着ゴールドオーラとの差は実に22馬身もあった。英衛星放送「スカイスポーツ」の競馬専門サイト「アット・ザ・レーシーズ」公式Xが公開した動画には海外ファンから「まったくふざけた話だ!」「めちゃくちゃだ」といった不満や怒りの声が噴出。「スカイスポーツ」では同競馬場で裁定における当番役員を務めていた元騎手のファーガス・スウィーニー氏が、敗れた4人の騎手全員に10日間の騎乗停止処分を科したことを伝えた。
一方、勝ったキャメロン騎手は「スカイスポーツ」の取材に「良いスタートをしたけど、前には1頭しかいなかったので、(他の馬に)速く走る時間を与えなかった。そして先頭に立ったら素晴らしいリズムで走っていたよ」と“してやったり”の様子。「彼女のリズムで行かせたかった」「彼女との格闘に巻き込まれたくなかったし、機嫌を損ねないようにしたんだ」と、あえて折り合いを気にしない騎乗を心がけたという。
「コーナーでちらっと見たけど、どの馬も来ていないようだったし、同じスピードで走り続けたので、そのまま旅を続けたようなものだったよ」と語ったキャメロン騎手。単勝29倍の最低人気とは思えない走りっぷりを冷静に振り返っていた。(THE ANSWER編集部)
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