台湾主将にしみついた日本流の礼儀 いまも当たり前に球審へ挨拶 「え、ホンマに?」取材に驚き【プレミア12】
THE ANSWER / 2024年11月22日 7時43分
■台湾の主将、陳傑憲は岡山県共生高で高校時代プレー
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は21日、オープニングラウンドを勝ち抜いた4か国によるスーパーラウンドが東京ドームで開幕し、台湾は0-2でベネズエラに敗れ黒星発進となった。ただ台湾の主将、陳傑憲(チェン・ジェシェン)外野手は「3番・中堅」で先発し3安打と好調を持続している。目についたのが、打席に入る度に球審と交わす挨拶。台湾の選手でここまで徹底しているのは陳傑憲だけで、その根っこには日本流の礼儀の示し方がありそうだ。
「え、ホンマに? そうなんすか?」
打席に立つたびに球審に挨拶しているのは、チームで1人だけに見えたと陳傑憲に伝えると、日本語でこう驚きの声をあげた。意識してやっているわけではない。当たり前すぎて、理由を考えたこともなかったという。日本流の敬意の示し方が、体にしみついていた。
「ずっとやっているので気にしていなかった。高校の時、毎打席立って審判に挨拶して試合をするのが普通でしたし。日本の選手はみんなやっているので、僕も慣れています」
陳傑憲は、岡山県共生高で高校時代を過ごした。2012年、最後の夏は2回戦で強豪の関西高と当たり5-8で敗戦。甲子園には手が届かなかった。それでも当時学んだ最後まで諦めない精神や、ベンチでの声出しが生む一体感などは、台湾代表の主将となった今も、チームを引っ張る上で大いに生きているという。
スタンドには台湾からのファンが多数詰めかけた。外野席からトランペットの応援歌と声援が飛び、台湾代表を後押しする空気にあふれていた。陳傑憲は「こんなのは初めて見ました。東京ドームに来たのは4回目ですけど、こんなに台湾のファンがたくさんいるのは初めて」と感謝を忘れない。
「感動しました。わざわざ日本に来て応援してくれるなんて」
お返しは勝利しかない。「次も今日と同じです。勝ちたいという気持ちでやります。試合が終わった後、みんなに言いました。この試合はもう終わり。切り替えてやろうって」。22日の米国戦にも、高校時代に学んだ全力プレーで挑む。(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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