侍J井端監督、異例の試合中円陣のワケ 「どこでスタートしているのか…」燻るピッチクロック問題に原因
THE ANSWER / 2024年11月24日 5時33分
■計測スタートのタイミングがバラバラ? 各チームが違和感
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は23日、東京ドームでスーパーラウンドの2試合を行い、日本代表「侍ジャパン」は台湾に9-6で勝利した。両チームは24日に行われる決勝でも激突する。この試合の3回、日本は井端弘和監督が中心に立つ異例の円陣を組んだ。今大会では投球間隔を制限するためのピッチクロックが運用されているが、その始動タイミングがバラバラ。対策のためだったという。
日本は初回、村林(楽天)の先頭打者本塁打などで4点を先制。3回に1点を返されると、その裏の攻撃を前にベンチ前で円陣を組んだ。中心にいたのは厳しい表情の井端監督。指揮官が直接円陣に入る光景は珍しい。一体何を伝えたのか。
「ちょっとピッチクロックが、どこでスタートしているのかわからなくて。(先発の)早川も、打者が立っていないのに投げていいのかとなる。ボール回しを無しにして、とにかく最初の準備をいつもより早くしようと伝えました」
今大会のピッチクロックは、無走者の場合のみ20秒という運用だ。ただ審判がプレーのコールをかけてもピッチクロックが始動していないケース、逆に打者が打席を外しているのに、作動しているケースがあったようだ。現在、日本のプロ野球にはまだピッチクロックは導入されていない。ただでさえ不慣れなルールの基準があいまいとなれば、選手たちには大きなストレスになりかねない。
22日のベネズエラ戦でも、井端監督がベンチを飛び出し、球審と何やら厳しい表情で会話を交わしたのちベンチへ戻る場面があった。さらに1死後、今度はベネズエラのロペス監督が球審に詰め寄った。試合後の記者会見で、ロペス監督もピッチクロックに対する不満を表明していた。
「われわれのバッターの1人がちゃんと打席に入っていないとして、10秒経っていたよと言われたことが2回ほどあった。ただ日本チームの場合、同じ状況でピッチクロックがスタートしていないことがあった。なので公平にやりましょうと言いました」
各チームが同じようなストレスを抱えながら、大会が進行しているようだ。23日の日本―台湾戦の前には、決勝も同じカードで戦うことが決まっていたため、台湾側が予告先発投手を変えるという奇手を使ってきた。国際大会ならではの荒波にもまれながら、井端ジャパンは世界一まであと1勝に迫った。(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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