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やり投げ五輪女王・北口榛花、まさかの柔道に挑戦 練習に取り入れ「投げてはいない、アハハ!」

THE ANSWER / 2024年12月19日 19時30分

授賞式でスピーチをする北口榛花【写真:日本陸上競技連盟/フォート・キシモト】

■陸連アワード

 日本陸上競技連盟は19日、都内のホテルで「日本陸連 アスレティックス・アワード 2024」の授賞式を行った。MVPに当たる「アスリート・オブ・ザ・イヤー」は、8月のパリ五輪女子やり投げで金メダルの快挙を達成した26歳の北口榛花(JAL)が2年連続2度目の受賞。2007年にスタートした同アワードは今回が18回目となる。

 北口は晴れの舞台に肩を出した黒のドレスで登壇。受賞スピーチでは「こんな晴れやかな場所で言うことではないと思いますが」とした上で「今年も嬉しい結果ばかりでしたが、今シーズンを通して凄く苦しくて、できればこのようなシーズンはもう二度と来なくていいと思うくらいの一年でした」と苦笑い。それだけ苦しんだシーズンだった。

 さらに「このような一年はもういらない。今回のような一年をもう一度繰り返さないようにずっと反省し続けているオフシーズン」と会場の笑いを誘った。世界陸上、五輪も制してモチベーションの低下を指摘されることも。「目指すものがないんじゃないかと心配されますが、全然そんな心配はいらなくて(笑)。ただただ、やりをもっと遠くに飛ばしたいという気持ちで、夢の70メートルに向かって頑張っていきます」と飛躍を誓った。

 式典後も取材に応じ、「去年の世界陸上は嬉しい気持ち。今年は安堵。同じ金でも違う気持ちがあるんだなと思った」と振り返った。モチベーション維持について「陸上は記録があるので、タイトルに関係なく上を目指せるのが魅力」と強調。「もちろんメダルも嬉しいけど、何より記録が出ることが嬉しい。目指すものがたくさんあると思っています」と陸上の面白さを届けた。

 一方、今季は昨年9月にマークした日本記録67メートル38を更新できず。海外転戦を続ける中で「世界記録を出す種目は盛り上がるし、たくさんの人が見に来る。知ってもらうことが必要」と記録更新の重要性を痛感。そのために現在は他競技からヒントを得ている。

■柔道とハードルに挑戦「前回り受け身を…」

 これまでは水泳、体操などを取り入れていたが、今はまさかの柔道にもトライ。ケア担当の繋がりから2008年北京、16年リオ五輪柔道女子52キロ級銅メダルの中村美里に直接指導を受けたという。学生時代に受けた武道の授業は剣道だっため、柔道は初体験だった。

「マットを敷いて受け身をしています。お忙しい中、マジの初心者に凄くわかりやすく教えてくださった(笑)。前回り受け身を中腰くらいの高さからですね。体操は前転と後転。やりを投げる時は斜めの動きなので、前転より投げに近いのは前回り受け身なのでやってみようかなと。柔道の投げ技はやっていません、アハハ!」

 さらにハードルにも挑戦し、パリ五輪男子110メートル障害5位入賞の村竹ラシッドに指導を仰いだ。「跳ぶ練習は前からずっとしていたけど、どう跳ぶかは知らなかった。感覚を知らずに自己流。まずは推進力が大事だと。凄く良い選手が近くにいたので教えてもらった(笑)」と明るく振り返った。

「いろんなものからヒントを得るのは好きだし、向いている。一つの練習の質が上がります。軽い刺激がたくさんあれば」

 昨年もブダペスト世界陸上を制し、同賞を受賞。パリ五輪は日本のトラック&フィールド種目で史上初となる金メダルを獲得した。この種目では日本人初のメダルとなり、ダイヤモンド・ファイナルを連覇。五輪の競技後に話した「名言が残せなかった」が新語・流行語大賞にノミネートしたほか、始球式やCM出演、各賞の受賞ラッシュでオフも引っ張りだこになった。

 来年9月には東京世界陸上が控える。「少しでも多くの方に競技場に足を運んでいただいて、良くても悪くてもその時の選手の感情を多く共感していただける、そんなスタジアムで競技をできることが凄く幸せなことだなとこの一年で感じた。来年の東京がそのような場になることを凄く楽しみにしています」と先を見据えた。

■各賞の受賞者

【各賞の受賞者と主な選出理由】
○アスリート・オブ・ザ・イヤー
・北口榛花(JAL)
パリ五輪女子やり投げ金メダル、ダイヤモンド・ファイナル連覇

○優秀選手賞
・村竹ラシッド(JAL)
パリ五輪男子110メートル障害5位入賞

・赤松諒一(SEIBU PRINCE)
パリ五輪男子走り高跳び5位入賞

・川野将虎(旭化成)
日本選手権男子35キロ競歩で2時間21分47秒の世界記録樹立

○新人賞(日本陸連選出/東京運動記者クラブ選出)
・落合晃(滋賀学園高3年)
男子800メートルでU20世界陸上銅メダル、U20アジア選手権金メダル、日本選手権優勝。全国高校総体において男子800mの日本記録(1分44秒80)を樹立、同種目のU20日本記録も今季3度更新

・久保凛(東大阪大阪敬愛高2年)
女子800メートルでU20世界陸上6位入賞、日本選手権優勝。日本記録及びU20日本記録、U18日本記録(1分59秒93)を樹立、U18日本記録は今季3度更新

○特別賞(陸上競技を通じた活動や活躍が広く社会に対して貢献したと認められた者、もしくは団体)
・福島テレビ(東日本女子駅伝)
東日本女子駅伝を40年にわたり開催し、日本の中長距離女性ランナーの育成に寄与した。これまでに、福士加代子さん、新谷仁美、鈴木優花をはじめとする25人のオリンピアンを輩出した。中学生からトップランナーまでがタスキを繋ぐ11月の福島の風物詩として愛され続け、本年11月10日の第39回大会の開催をもってその歴史に幕を下ろした。

○JAAF×SDGs「#LETSTHINK_」BEST THINK賞
・オスポランニング教室
・北海道マラソン2024

○日本グランプリシリーズ2024チャンピオン
・筒江海斗(ST-WAKO)
男子400メートル
・福部真子(日本建設工業)
女子100メートル障害

○パリ五輪入賞者
・女子やり投げ1位、北口榛花(JAL)
・男子110メートル障害、村竹ラシッド(JAL)
・男子4×100メートルリレー5位、サニブラウン・ハキーム(東レ)、坂井隆一郎(大阪ガス)、桐生祥秀(日本生命)、上山紘輝(住友電工)、柳田大輝(東洋大)
・男子走り高跳び5位、赤松諒一(SEIBU PRINCE)
・男子4×400メートルリレー6位、中島佑気ジョセフ(富士通)、川端魁人(中京大クラブ)、佐藤風雅(ミズノ)、佐藤拳太郎(富士通)
・男子マラソン6位、赤崎暁(九電工)
・女子マラソン6位、鈴木優花(第一生命グループ)
・男子3000メートル障害8位、三浦龍司(SUBARU)
・男子20キロ競歩8位、古賀友太(大塚製薬)
・男女混合競歩リレー、川野将虎(旭化成)、岡田久美子(富士通)(THE ANSWER編集部)

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