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37歳織田信成、最後の全日本で観客総立ち→号泣 「自分自身に重圧を…解放されて感極まった」

THE ANSWER / 2024年12月20日 16時33分

大歓声の中、マツケンサンバ2を熱演した織田信成【写真:中戸川知世】

■全日本選手権が開幕

 フィギュアスケートの全日本選手権は20日、大阪・東和薬品RACTABドームで開幕し、男子ショートプログラム(SP)では11年ぶり出場の37歳・織田信成(大阪スケート倶楽部)が84.53点で5位発進した。今季で競技生活に2度目の区切りをつける37歳は「マツケンサンバ2」を熱演。地元・大阪で拍手を浴びた。

 最終グループで登場した織田は6分間練習前に名前がアナウンスされると、場内からは一際大きな拍手と歓声が沸き起こった。26番滑走、SPの演目は「マツケンサンバ2」だ。冒頭の4回転―3回転の連続トウループに着氷。マツケンサンバの軽快な曲に乗り腰を振って沸かせる場面も。手拍子の鳴る中、3回転アクセル、3回転ルッツともに決めた。その度に場内は大歓声だ。

 フィニッシュ後は観客がスタンディングオベーション。手を振って応えるなど終始ノリノリだった。しかし、キス・アンド・クライでは得点が出る前から号泣。得点表示後は納得の表情を浮かべた。

「ありがとうございました。家族も見に来ていましたし、大阪からたくさんの友だちも応援に来てくれた。何より37歳で4回転決めるぞという気持ちで今回は臨んでいたので、それが成功できて嬉しかったです。歓声が凄く力になって、今日は皆さんの笑顔で手拍子してくださる姿が目に映りながら、ジャンプを跳ぶことができた。たくさん手拍子をいただいて感謝ですし、凄く力になりました」

 演技が終わった直後の心境には「4回転ジャンプを絶対に決めたい、ノーミスでやりたいという思いを自分に強くかけて、自分自身にプレッシャーを与えながらやっていた。終わった時は安心感。解放された思いで感極まってしまいました」

 2008年に頂点に立ってから16年、11年ぶり出場の全日本。「国民的盛り上げソング。この曲の力にあやかってパフォーマンスしたい」と語っていた通り、アップテンポな曲調に乗って演じ切った。

 2013年に一度は競技から引退し、22年に復帰。今も4回転ジャンプを跳ぶ実力はあるが、「膝と腰がもたない」と今季で再び競技生活に区切りをつける。19日には応援に駆け付ける家族のエピソードを語りながら涙。出発前、自宅で中学生になる長男が「試合、頑張ってな」と初めて言ってくれたという。取材エリアで「ここで泣くつもりじゃなかったのに……」とティッシュで目元をぬぐった。

 フリーに向け「フリーも同様に4回転ジャンプに挑戦するのでしっかり決めたい。若い選手ともっともっとレベルの高いグループになると思うので、若い子たちのいいところを吸収しつつ、自分もその素晴らしさに負けないように頑張りたいと思います」と言葉に力を込めた。(THE ANSWER編集部)

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