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37歳織田信成、ラスト全日本で笑顔→取材中に涙 万雷拍手に一礼「毎日楽しかった。現役復帰してよかった」

THE ANSWER / 2024年12月21日 19時12分

演技後に清々しい笑顔を浮かべた織田信成【写真:中戸川知世】

■全日本選手権・男子フリー

 フィギュアスケートの全日本選手権は21日、大阪・東和薬品RACTABドームで男子フリーが行われた。ショートプログラム(SP)5位の37歳・織田信成(大阪スケート倶楽部)は150.15点、計234.68点の4位。2013年に一度は引退し、22年に復帰した大ベテランは今季限りで競技生活に2度目の区切りをつける。11年ぶりに出場した全日本を終え、万雷の拍手を浴びた。優勝は鍵山優真(オリエンタルバイオ/中京大)、2位は中田璃士(TOKIOインカラミ)、3位は壷井達也(シスメックス)。

 織田は魂を込めて舞った。地元・大阪で開催された全日本。連続ジャンプを予定していた冒頭、1つ目の4回転トウループで転倒した。その後はトリプルアクセルに着氷するなど立て直し。SPの「マツケンサンバ2」とは違った雄大な曲調で滑り切った。フィニッシュ後はスタンディングオベーション。37歳でフリーを演じ切り、深々と頭を下げた。

 リンクを降りる際も一礼。母の憲子コーチとハグを交わした。キス・アンド・クライでも笑顔。涙はなく笑顔で全日本に別れを告げた。演技後は「本当に感謝の気持ちでいっぱい」と感無量。「感謝の気持ちを最後にお礼に込めて(お辞儀を)してました」と明かした。取材中に涙を浮かべる場面も。現役復帰からおよそ2年の道のりに胸を張った。

「37歳という年齢で、フィギュアスケートというスポーツともう一回向き合わなければわからなかったことだったり、まだ体力的にも厳しいなとか、自分の中でもいろんな発見があったりして。凄く苦しい部分もあったんですけど、やっぱり凄く練習から楽しくて。前の現役の時にこういう気持ちで練習できていたら良かったなっていうぐらい。本当に新しい発見が毎日あって楽しかったので、自分の中では本当に現役復帰して凄くよかったなと思います」

 前日のSPでは「マツケンサンバ2」に乗って4回転トウループを決めるなど、ノリノリの演技で84.53点をマーク。キス・アンド・クライでは得点発表前から号泣した。19日の公式練習後にも、自宅で長男が「試合、頑張ってな」と初めて言ってくれたことを明かし、連日に渡って涙を流した。フリーを最終組で滑ること、入賞が大きな目標だった。

 2008年の優勝から16年。全日本出場は実に11年ぶりとなった。バンクーバー五輪出場の実力者は今も4回転ジャンプを跳べるが、「膝と腰がもたない」と今季限りでの引退を表明している。(THE ANSWER編集部)

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