37歳織田信成、ラスト全日本は4位で別れ「凄く豊かなスケート人生」 1月国スポが現役最終戦
THE ANSWER / 2024年12月21日 19時57分
■全日本選手権で織田信成が4位「感謝でいっぱい」
フィギュアスケートの全日本選手権は21日、大阪・東和薬品RACTABドームで男子フリーが行われた。ショートプログラム(SP)5位の37歳・織田信成(大阪スケート倶楽部)は150.15点、計234.68点の4位。2013年に一度は引退し、22年に復帰した大ベテランは今季限りで競技生活に2度目の区切りをつける。11年ぶりに出場した全日本を終え、万雷の拍手を浴びた。優勝は鍵山優真(オリエンタルバイオ/中京大)、2位は中田璃士(TOKIOインカラミ)、3位は壷井達也(シスメックス)。
織田は魂を込めて舞った。地元・大阪で開催された全日本。連続ジャンプを予定していた冒頭、1つ目の4回転トウループで転倒した。その後はトリプルアクセルに着氷するなど立て直し。SPの「マツケンサンバ2」とは違った雄大な曲調で滑り切った。フィニッシュ後はスタンディングオベーション。37歳でフリーを演じ切り、深々と頭を下げた。
リンクを降りる際も一礼。母の憲子コーチとハグを交わした。キス・アンド・クライでも笑顔。涙はなく笑顔で全日本に別れを告げた。演技後は「もう本当に感謝の気持ちでいっぱい」と感激。拍手が力になり、「感謝の気持ちを最後にお礼に込めて(お辞儀を)してました」と説明した。
苦楽のあったスケート人生を「全然平坦な道ではない。でも、平坦じゃなかったからこそ、坂を駆け上がる力をつけることができたし、平坦じゃなかったからこそ上がっていく苦しみも味わうことができた」と表現。「凄くいろんな経験ができた凄く豊かなスケート人生だった」と涙を浮かべながら明かした。
前日のSPでは「マツケンサンバ2」に乗って4回転トウループを決めるなど、ノリノリの演技で84.53点をマーク。キス・アンド・クライでは得点発表前から号泣した。19日の公式練習後にも、自宅で長男が「試合、頑張ってな」と初めて言ってくれたことを明かし、連日に渡って涙を流した。今大会はフリーを最終組で滑ること、入賞が大きな目標だった。
2008年の優勝から16年。全日本出場は実に11年ぶりとなった。バンクーバー五輪出場の実力者は今も4回転ジャンプを跳べるが、「膝と腰がもたない」と今季限りでの引退を表明している。
この日は「1月に国スポがあるので、岡山でもうひと舞いしてから引退しようかなと思って頑張っています」と国民スポーツ大会冬季大会(旧冬季国体)が現役最終戦になると明言。「滑るのも大好きなので、アイスショーに呼んでいただける機会があればアイスショーも滑りたい」としつつ、「日本の景気的にもなかなかフィギュアスケートを始めるのが大変。そういう意味でもスケートを知らない方たちにスケートの楽しさを伝えられるような、そういう活動もできたら」と思い描いた。(THE ANSWER編集部)
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