SP接触アクシデントの河辺愛菜、会心フリーで暫定1位 「最後は感情出た」ガッツポーズ締め【全日本フィギュア】

フリーで演技する河辺愛菜【写真：中戸川知世】

■全日本フィギュア・女子フリー

　フィギュアスケートの全日本選手権は22日、大阪・東和薬品RACTABドームで女子フリーが行われた。ショートプログラム（SP）14位の2022年北京五輪代表・河辺愛菜（中京大）は127.98点をマーク。合計190.23点で、演技終了時点で暫定1位に立った。20日のSP前、6分間練習で他選手と接触するアクシデントがあったが、この日は納得の演技にガッツポーズを見せた。

　20日の6分間練習で江川マリアと接触。河辺が転倒し、江川は心配そうに寄り添った。腫れた右肘の辺りから下の感覚がなくなり、62.25点と不本意な演技になった。互いの存在に気づかなった不運なアクシデント。江川は「私は全然大丈夫ですが、愛菜ちゃんが凄く心配」と口にし、河辺は「練習したことが全然出せなかったのが悔しい」と振り返りながらも、江川が無事と知ると安堵の表情を浮かべていた。

　21日の公式練習では痛みが残っていたものの、この日は支障のないレベルまで回復。納得の演技を披露し、フィニッシュ後は腕を振り下ろしてガッツポーズだ。「不安な気持ちを抑えて滑り切れた。最後は感情が出ました」と振り返った。

　フリーの目標である130点に近い得点。前日の男子フリーで、SP14位から巻き返して3位となった壷井達也、優勝した鍵山優真らの演技に勇気をもらった。「諦めちゃだめだし、出し切らないと後悔すると思った。フリーだけでもと思ってやりました」。アクシデントを乗り越え「一番焦った大会。でも何があっても大丈夫と自信になった」と話した。（THE ANSWER編集部）