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「鳥取県はバスケが弱い」覆した固定観念 学校の後押し受け…県初の日本一に迫った監督の手腕【ウインターカップ】

THE ANSWER / 2024年12月30日 7時13分

鳥取県勢初の決勝でプレーした鳥取城北の選手たち【写真:(C)SoftBank ウインターカップ2024】

■SoftBank ウインターカップ2024

 バスケットボールの第77回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2024」は29日、東京体育館で男子決勝が行われ、鳥取城北が福岡大大濠に57-77で敗北し、県勢初の優勝とはならなかった。だが、初出場から5年で決勝までたどり着き、準優勝。「鳥取県はバスケが弱い」。同校OB・河上貴博監督は就任から9年で、固定観念を覆す屈強なチームに育て上げた。その背景には学校全体の協力もあった。

 試合終了とともにコートには歓喜と落胆の涙が流れた。初得点は第1クォーター(Q)残り7分12秒にようやく奪うなど、序盤は硬さが見られた鳥取城北。第2Q残り5分52秒に新谷勇晴(3年)のアンドワンで初めてリードを奪うなど善戦したが、福岡大大濠の正確な3Pやスティールで徐々に突き放された。第3Q終了時点で22点差に。「楽しもう」。河上監督の言葉で意地を発揮し、最後まで戦い抜いた。鳥取県勢初の決勝進出を成し遂げたチームに、惜しみない歓声と拍手が送られた。

「鳥取県はバスケが弱い」。鳥取城北OBの河上監督はこんな言葉を何度も耳にしてきた。進学した拓大では、同期からいじられることも。高校時代、全国大会を本気で目指していた身としては、悔しさばかりが残った。「鳥取県は弱くない」。証明したい一心で、9年前に母校の監督に就任した。

 当初は監督としての未熟さから「最初はなかなか勝てなかった」。経験を積み、練習に対する意識改革を進め、少しずつチームは上昇し始めた。メニューに極端に変化を加えたわけではない。ただ、練習における強度は必ず求めた。ダッシュ練習やディフェンス練習1つをとっても、全力でやりきることにこだわりを持ち続けた。そして、2019年に県大会を制し、ウインターカップに初出場した。

 だが、練習環境は決して整っているわけではなかった。バスケ部専用の体育館がなく、練習場所を確保するため、さまざまな場所へ繰り出した。そんな中で、新校舎の全面改修工事が開始。「バスケ部の体育館も綺麗にしよう」。石浦外喜義校長の提案で改装が決まり、一面のコートを365日使える環境になった。「学校が協力してくれていることに本当に感謝しています」(河上監督)

 学校の後押しもあり6年連続6度目の出場となった今大会は、前回王者の福岡第一など強豪校を次々と撃破。鳥取県勢初の全国制覇が目と鼻の先まで近づいた。だが、まずは地に足をつけて次のステップを踏む。「もちろん(全国制覇を)目指してやっていきたいですが、本当に1からなので、まずは県大会を勝って、全国にしっかり出るところから」。優勝するには、これまで以上の努力が必要だと指揮官は理解している。(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)

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