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留学生なしで日本一・福岡大大濠 1年前、体育館の至る所に貼られた写真 刻んだ「GIVE」の深い意味【ウインターカップ】

THE ANSWER / 2024年12月30日 5時33分

3年ぶり4度目の優勝を果たした福岡大大濠【写真:(C)SoftBank ウインターカップ2024】

■SoftBank ウインターカップ2024男子決勝

 バスケットボールの第77回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2024」は29日、東京体育館で男子決勝が行われ、福岡大大濠が鳥取城北に77-57で勝利し、3年ぶり4度目の優勝を果たした。U-18トップリーグとの高校2冠を達成。昨年、同じ舞台で味わった悔しさを胸に刻み、見る者に影響を与えたいと臨んで掴んだ日本一だった。

 待ちに待った瞬間。ゲームキャプテンの湧川裕斗(3年)は、1年間の思いを爆発させるかのように高々とボール放り投げた。3年ぶりの冬の日本一。真っ先に近づいてきたのは、先発した同級生の渡邉伶音と高田将吾。「チームが良くなるために3年生がどうあるべきか話し合って、苦労して成長してきた。報われて本当に嬉しい」。湧川はこみ上げる感情を抑えきれず、顔をくしゃくしゃにして仲間と抱き合った。

 ちょうど1年前。同じ日、同じ舞台で見た景色が3年生の脳裏に焼き付いている。決勝で福岡第一に53-63で敗戦。歓喜に沸くライバルの姿に悔しさを噛みしめた。1月3日。片峯聡太監督はトロフィーを掲げる福岡第一の写真を体育館の至る所に貼った。「この写真を絶対忘れるな」。もう準優勝はいらない。「この大会は本当に日本一を獲るためだけに来た」(渡邉)。常に頂点に立つ瞬間をイメージして汗を流した。

 教訓の写真には「GIVE」というチームスローガンを刻んだ。「Grit(やり抜く)、Influence(影響力)、Victory(勝利)、Euphoria(多幸感)」の頭文字を取ったもの。「楽しむことも忘れず、ただ勝つことは前提に。中学生や小学生といった下の年代や、バスケットを見る方々に影響を与え(GIVE)続けよう」。渡邉はスローガンに込められた精神を説明する。


留学生とマッチアップすることが多かった渡邉伶音(左)【写真:(C)SoftBank ウインターカップ2024】

■留学生なしで掴んだ優勝「子どもたちに影響を与えたい」

 留学生が1人もいない福岡大大濠。身長206センチのPFで、留学生と一番マッチアップする機会が多い渡邉は「僕たちが勝つことによって、『自分もできるかもしれない』と思ってくれる子どもが絶対に増えるし、それが大濠の魅力だと思っている。自分もそういう姿を見て入学した。引き継いでいきたいし、もっともっと子どもたちに影響を与えたい」と力を込める。

 A代表にも選出された期待のビッグマンは、インサイドはもちろん外でのプレーにも磨きをかけてきた。「留学生が自分のスリーを警戒してくれば、自分と留学生以外の4対4になる」。この日も3ポイントシュートを4本連続で沈めるなど、16得点、14リバウンドのダブルダブル。自分が生きれば仲間も生きる。湧川がチーム最多の32得点。高田も16得点と先発した3人の3年生が存在感を発揮した。

 優勝会見には先発の5人と監督が出席予定だったが、チームの希望で控えだったチームキャプテンの見竹怜(3年)も登壇した。シックスマンとして相手エースを封じ、ベンチからも声をかけ続けた縁の下の力持ち。湧川はチームのメンタル面を支えた見竹に「本当に感謝します」と頭を下げた。忘れられない悔しさから始まった1年。心に刻まれた光景を、仲間と流した最高の嬉し涙で上書きした。(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

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