「過去最高じゃないですか」 全日本躍進、レンズ越しに見た中田璃士3つ目の握り拳に透けた闘志
THE ANSWER / 2024年12月31日 7時43分
■THE ANSWER編集部・カメラマンフォトコラム
今月開催されたフィギュアスケートの全日本選手権(大阪・東和薬品RACTABドーム)。合計263.99点をマークした中田璃士(りお、TOKIOインカラミ)は16歳にして2位に入る快挙となった。会心の演技で何度もガッツポーズを見せたが、173.68点を記録したフリーで収めた“3つ目”が今も私の脳裏に焼き付いている。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)
◇ ◇ ◇
まるで指揮者が演奏を止めるかのように、両手で拳を作った。
緊張感漂う最終グループ。「パイレーツ・オブ・カリビアン」に乗って冒頭の4回転ループ、4回転トウループと着氷のたびに右手を強く握った。
私が陣取るカメラマン席の前へとなめらかに滑ってくると、連続ジャンプを跳んだ。着氷し、手をパンっと叩いてガッツポーズ。レンズ越しに見たその姿は力強くもあり、しなやかにも写った。
私が目の前で見たこの瞬間は、時間がゆっくり流れるように感じた。ここまでノーミス。ジャンプが決まればガッツポーズが出るに違いない。逃すわけにはいかないシャッターチャンスに集中した。
必死に追いかけ、綺麗に着氷。ガッツポーズとともに、冷静な中に燃える闘志が入り混じった表情も捉えた。中田がキス・アンド・クライで得点を待つ間、写真を確認した私も心の中で「ヨシッ」と小さくガッツポーズを作った。
「過去最高じゃないですか。(ガッツポーズを)こんなにやったのも」
16歳も照れ笑いを浮かべるほどの演技だった。「ループ降りて『よっしゃー』で、トウループ降りて『よっしゃー』で……」。4分間で幾度と見せた仕草はファンにも成功が分かりやすく伝わり、拍手も次第に大きくなっていった。
高校1年生にして、鍵山優真に次ぐ2位の大躍進。全日本をノーミスで滑り切る勝負強さが、ここで紹介しているフリー3つ目のガッツポーズにも凝縮されているように感じる。今でもレンズから見た光景を映像のように思い出せるほど、強く印象に残った瞬間だった。(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
高橋大輔との出会い、三原舞依との友情…もう全日本は「場違い」じゃない 三宅咲綺を強くした縁【全日本フィギュア】
THE ANSWER / 2024年12月30日 10時3分
-
2位大躍進の16歳中田璃士「100万円ゲットです」 報道陣を笑わせた堂々の取材対応「天国でした」【全日本フィギュア】
THE ANSWER / 2024年12月21日 21時2分
-
37歳織田信成、ラスト全日本は4位で別れ「凄く豊かなスケート人生」 1月国スポが現役最終戦
THE ANSWER / 2024年12月21日 19時57分
-
37歳織田信成、ラスト全日本で笑顔→取材中に涙 万雷拍手に一礼「毎日楽しかった。現役復帰してよかった」
THE ANSWER / 2024年12月21日 19時12分
-
現役高校1年生がSP会心の90点超え 2位発進・中田璃士「ヤバイしか出てこない」 鍵山優真も称賛【全日本フィギュア】
THE ANSWER / 2024年12月20日 17時33分
ランキング
-
1【箱根駅伝】東洋大 苦戦続きも9位で復路へ…20年連続シード権奪取のカギは「出だしの6区」
東スポWEB / 2025年1月2日 19時39分
-
2【箱根駅伝】国学院大は3冠に黄信号 エース平林で流れつかめず…前田監督「箱根って深いですね…」
東スポWEB / 2025年1月2日 17時14分
-
3最高齢の五輪金メダリストが死去 ハンガリー女子体操、103歳
共同通信 / 2025年1月3日 1時0分
-
4高校サッカーなのに“巨人-阪神戦”!? 野球ファンも困惑「聞けるとは思わなかった」
Full-Count / 2025年1月2日 20時1分
-
5【箱根駅伝】「山の名探偵としてきているので」早大・工藤慎作、山上りで“事件解決” 復路へ「あわよくば3番以内を」
スポーツ報知 / 2025年1月2日 15時58分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください