男子テニスで超異例 47歳で日本代表候補に復帰「誰もが錦織圭にはなれない」…鉄人・松井俊英の“生き方”
THE ANSWER / 2025年1月8日 11時53分
■ダブルスで長年日本のトップに君臨…15年ぶり強化選手に「びっくり」
男子プロテニスの松井俊英(フリー)が今季、47歳となるシーズンで日本協会の強化選手に異例の復帰を果たす。ダブルスで長年、日本のトップクラスに君臨し続け、現在も世界ランキングは日本人最高の146位。「時代が僕に追いついてきた」という松井が語る「ダブルスが日本人に向く理由」とは。(前後編の前編)
◇ ◇ ◇
松井は2006年のドーハアジア大会、2010年の広州アジア大会で日本代表入り。国別対抗戦のデビスカップにも2006年、2010年と2度出場している。主催者側がランキングを元に出場者を決めるATPカップ日本代表には、2020年、2021年に選出されているが、ナショナルチームが決める代表候補となるのは、実に15年ぶりだ。ニュースで知ったという松井は「やっと時代が僕に追いついてきたんですかね」と笑う。
ダブルスの日本ランキングは現在2位だ。ATP世界ランキングも昨年12月23日付で日本人最高の146位。昨年5月27日付では、自己最高の121位を記録した。
「もう30代後半、40代だしと見られていたんでしょうけど、最近はお声も全くかからなかった。でも新しいコーチが入ってくるようになって、まだ行けると一石を投じてくれた。今さらという気持ちもあるけれど、やっと見てくれたと。びっくりしましたけどね」。日本代表候補となれば、東京のナショナルトレーニングセンターを使えるなどの利点がある。年齢に負けない進化を、さらに模索することも可能になる。
今も世界で戦うための鍛錬は怠らない。サービスは時速200キロに達するという攻撃的なスタイルも譲るつもりはない。それでも、歳を重ねてトップを張り続けられるのは、ダブルスという種目の特性も大きいという。
「コートが半面になるし、サービスも4回に1回打てばいい。シングルスでは拾えないボールに追いつくこともできますし」。だからこそ、自身を追いかける選手、日本からダブルスの世界ランキングに名を連ねる選手がもっと出てきていいはずだと考えている。
サービスは時速200キロ、攻撃的なスタイルを貫く松井【写真:本人提供】
■ダブルスの世界を引っ張ってきた自負「誰もが錦織になれるわけじゃない」
「ダブルスで頑張ろうという選手がここ数年増えてきました。そこで自分もライバルでいられれば。競争の激しいジャンルになってほしいと思っているんです」。世界を転戦していると、時に圧倒的な才能に出会うことがある。そのレベルと日本選手との差を詰められるのも、ダブルスという種目の特性なのだ。
「誰もが、錦織圭や大坂なおみになれるわけじゃないんです」
2人が連係しながらのプレーは日本人が得意とするところ。さらに重ねた経験を生かせる場面も多い。「テニスは、やはりシングルスがメインで、そこには、とてつもない才能やフィジカルの化け物がいます。ダブルスは、2対2なので、差を埋めようがあるんです。競技としての伸びしろはすごくあるんじゃないかと思いますよ」。ピックルボールやパデルといった、より狭いコートでプレーするラケットスポーツの人気が高まっているのも、追い風になる可能性がある。
4月には47歳を迎える。今年はシングルスでポイントを勝ち取って歴代1位の最年長世界ランカー記録に挑戦したいという思いも消えていない。その中で昨年末には所属先を離れフリーとなった。「今が現役生活の、めっちゃ大きな岐路ですよ。遠征費を確保しなければ始まらない。スポンサーになってくれる方がいれば、インスタグラムのDMに連絡を……」。願いは切実だ。
昨年11月末に中国で行われた、全豪オープンのワイルドカードプレーオフに参加した。ここで勝てば、4大大会の一つである全豪オープンへの出場推薦をもらえる大会。ピーキングもここに合わせ、1年間の集大成とするつもりだったが8強で敗退。「優勝して(全豪オープン開催地の)メルボルンに行くことしか考えてなくて……」。今後について考えようとしているタイミングで、強化メンバー入りのニュースが飛び込んできた。意外な知らせに一番驚いたのは松井自身だ。最年長ランカーは次に、どんな道を選ぶのか。(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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