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泥沼4連敗→王者千葉Jの3連覇阻止 起点・富樫勇樹を封じたA東京4強入りの立役者「気持ちです」

THE ANSWER / 2025年1月9日 6時43分

千葉J戦で勝利に貢献したA東京・小酒部泰暉【写真:浜田洋平】

■天皇杯準々決勝

 バスケットボール男子の天皇杯全日本選手権は8日、千葉・船橋市のららアリーナ東京ベイで準々決勝が行われ、アルバルク東京が2連覇中の王者・千葉ジェッツに75-70で勝利した。3位だった2021年大会以来の4強入り。Bリーグは直近4連敗中だったが、26歳のSG小酒部泰暉の守備力を軸に相手の主将PG富樫勇樹を3得点に封じるなど、気迫の攻守で下剋上を果たした。

 気持ちでぶつかり続けた。第4クォーター(Q)残り1分2秒、3点差。まだわからない。小酒部の遠距離砲がリングに吸い込まれた。71-65と突き放し、1万85人が埋まった敵地は沈黙。「点差と時間を見たら3ポイントは結構なダメージ。強い気持ちで入れることができた」。唯一日本代表のテーブス海を欠きながら王者を撃破。ブザーを聞いた瞬間、絶叫しながら仲間に飛びついた。

 攻撃の起点を封じたのも気迫だった。「自分の武器は守備。富樫選手を乗せたら相手ペースになる」。長年、日本代表のPGを担った身長167センチの富樫との差は20センチ。仲間のサポートで生まれたミスマッチをつき、Bリーグ屈指の粘り強さで体を寄せた。積極的にスティールを狙い、相手攻撃の冒頭10秒に得点させないことをチームで徹底。3得点に終わった富樫も「素晴らしい守備だった」と舌を巻いた。

 Bリーグは20勝8敗で中地区2位につけるが、4連敗中の泥沼だった。ミーティングでチームの軸を再確認。「気持ちが大事」。答えはシンプルだった。PG大倉颯太は「負けたら終わりの一戦。それ(気持ちで戦うこと)を体現できれば勝てると信じていた」と明かす。小酒部は「攻撃もやっぱり気持ちが大事。気持ちです」と繰り返すほど魂を込め、チーム3番目に多い12得点をマークした。

 昨季までNBAでプレーした渡邊雄太には両軍最多18得点を許したが、富樫封じで目論見通りの粘り勝ち。2月5日の準決勝では、第1シードの昨季Bリーグ王者・広島ドラゴンフライズに挑む。A東京生え抜きホープの小酒部は「4連敗していたからこそ逆に吹っ切れた」と安堵の笑みを浮かべつつ、終盤は疲労で富樫を自由にさせ「悔いが残る試合」と反省を欠かさない。天皇杯王者の次はリーグ王者を倒す。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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