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「若林をなんとか走らせてやってほしい」 青学4区・太田蒼生が沈黙ののちに送ったメッセージ【後編】

THE ANSWER / 2025年1月15日 6時44分

スペシャルゲストとして登壇した田中悠登(左)と若林宏樹【写真:主催者提供】

■「青トレ2.0 スペシャルトーク&実演イベント By 徳間書店」に田中と若林が登場

 第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で優勝した青学大の主将・田中悠登(4年)と、5区で区間賞を獲得した若林宏樹(4年)が12日、東京・目黒セントラルスクエアで行われた「青トレ2.0 スペシャルトーク&実演イベント By 徳間書店」にスペシャルゲストとして登壇。青学大のフィジカルトレーナーを務める中野ジェームズ修一氏と箱根駅伝を振り返った。若林と“ケンカ”していた太田蒼生(4年)が、中野氏に送ったメッセージとは。【前後編の後編】

 ◇ ◇ ◇

 4区の太田と5区の若林。自身を取り合って“ケンカ”していた2人のどちらに当日つくか、中野氏の答えは「若林」の一択だった。理由はこうだ。

「比較的、太田の方は一人で走らせても行けるという感じもあった。皆さんご存じの通り、太田よりも若林の方がメンタルが弱いので(笑)。ここを支えないとな、と感じていた」

 若林が走る山上りの5区は温度調整、雨天時の対応、マッサージの感覚など準備が全て特殊。対応できるのは中野氏しかいなかった。さらに4区を走り終えた太田を、5区でケアできる点も大きかった。


イベントに登壇し、トークする中野ジェームズ修一氏(右)【写真:主催者提供】

「若林はこれで引退ですけど、太田はこの後もある。レース中に何か起きた時に、太田を迎えるという立場でケアをする方が重要」。中野氏はLINEで太田にメッセージを送信。既読になるだけで返信が来ない。「これ、多分怒ってるんだろうな」。心配していると、こんな返事が来た。

「僕もそう思います。若林をなんとか走らせてやってほしいです。あいつを輝かせてやらないと優勝は見えてこないと思うので、若林をよろしくお願いします」

 最終的には受け入れ、太田も1時間0分24秒をマークして区間賞を獲得。若林に襷を繋いだ。中野氏は「太田的には納得いかないけれど、チームために自分がここで折れないと、という感じだったのかな」と振り返っている。(THE ANSWER編集部)

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