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同好会から女子マラソン超新星に「実感ない、うふふ」 小林香菜、天真爛漫会見で自分でも躍進に疑問【大阪国際女子マラソン】

THE ANSWER / 2025年1月26日 17時43分

レース後、会見に登場し笑顔を見せる小林香菜【写真:中戸川知世】

■大阪国際女子マラソン

 9月の東京世界陸上代表選考を兼ねた大阪国際女子マラソンが26日、大阪・ヤンマーフィールド長居発着の42.195キロで行われた。23歳の小林香菜(大塚製薬)が日本歴代10位となる2時間21分19秒で日本人トップの2位。世界陸上の参加標準記録を突破し、代表に大きく前進した。ウォルケネシュ・エデサ(エチオピア)が2時間21分00秒で連覇を飾った。

 スタート時は気温10.8度、湿度42%。晴天の下、小林はパリ五輪代表の鈴木優花、最多タイとなる4度目の優勝を狙う松田瑞生ら7人と先頭集団を形成。松田が14キロ付近から遅れ、15キロ過ぎの給水所でアクシデントが起きた。ボトルを取り損ねたペースメーカーが数歩だけ後戻り。後ろを走っていた小林と接触した。腰辺りをぶつけてバランスを崩した小林。すぐに走り出し、トップにくらいついた。

 中間地点付近で先頭から離されたが、22キロ付近で再び追いつく力走。徐々に集団の背中が遠のいていったものの、29キロで伊澤を抜いて3番手に浮上した。ゴールまであと800メートルで鈴木を逆転。そのまま日本勢トップとなる2位でゴールした。

 23歳の小林は早大本庄高陸上部で全国的な実績はなく、早大時代にランニングサークル「早稲田ホノルルマラソン完走会」と登山サークルにも所属。市民ランナーとして富士山マラソンを制した。卒業後に大塚製薬入り。12月の防府読売マラソンで2時間24分59秒の大会新で優勝。プリンセス駅伝は3区区間2位で10人抜きした。すり足のような独特のピッチ走法でこの日も浪速路を駆け抜けた。

 東京世界陸上の女子マラソン日本代表は最大3枠。参加資格有効期間(2023年11月5日~25年5月4日)に日本記録をマークし、保持した選手は内定。この日の大阪国際女子、3月2日の東京、3月9日の名古屋で参加標準記録2時間23分30秒を突破した選手から総合的に判断される。前回大会では、前田穂南(天満屋)が2時間18分59秒をマークし、19年ぶりに日本記録を更新していた。


会見に登場した小林香菜と河野匡監督【写真:中戸川知世】

 小林はレース後、大塚製薬の河野匡監督と会見。終始、初々しく天真爛漫だった。主な一問一答は以下の通り。

――レースを振り返って。

「ハーフまで先頭についていくと監督に言われて、それを決めていた。言葉通りハーフで離れたけど、自分のペースで走ったら、気がついたら鈴木さんの背中が大きかった。沿道の声援を受けてスパートを頑張ったら思った以上の結果だった」

河野監督「私の方が驚いている。ラスト7キロくらいで私は隣の客さんと話していて、『3番でいいかな』と思っていた。『詰まっているよ』と言われて、あっという間に距離が詰まっていた。競技場に戻ったら(鈴木の)山下コーチがいたので『やられたな(負けたな)』と思っていた。自分の選手ながら凄い。よくあそこまで戻したなと」

――踏ん張れた要因は。

「ハーフくらいで結構離れた時は、正直気持ちで負けていた。後半に粘れたのがよかった。自分でもあまりよくわかっていない(笑)。どの練習がマラソンに生きてくるのかわかっていない。でも、アルバカーキの変化走はきつかったので、それをやりきった達成感は自信になっていた」

――中間点で一度離された。体力的な状況は。

「足が結構きつかったです。呼吸は大丈夫だけど、足が思うように動かなくて、『ああ、もうしんどいなぁ』の一心でした(笑)。自分の中では日本人1位という目標がなく、そこまでいけると思わなかった。でも、意外と鈴木さんと伊澤さんしか前にいなかったので、大きなレースで上位に入るチャンスはない。『あ、今回いけるのかな?』って(笑)」

――タイムについて。

「まだ実感はわかないです、はい(笑)。すみません、うふふ」

――日本代表への想い。

「もちろんマラソンで世界で走りたいと言って入社して、ここまで頑張ってきたけど、自分の成長に対して、トップ選手ほどの精神面の成長が追いついていないです。もっと気持ちも上の方は見ているところが違う。自分もそういうふうに気持ちも強くなりたい」

――どこがどうなって急成長できたか。

「どこがどう……(笑)。どこなんでしょうね? あまり自分でもわかっていないです(笑)。実業団で他の選手より遅い中で自分なりの練習をやってきて、4月から本格的な練習をやって基礎がついたのは大きいのかなと」

――監督はどうでしょう。

河野監督「私も驚いているのが正直なところ(笑)。12月のレースが最後くらいはこれくらい走れば実業団で走ったらよかったなと言えるなと。いきなりあのタイム。だったらもっと目標を上にしないと失礼。常に私が思うレベルの中で着地せず、それより高いところで着地する。練習設定、目標設定も常に上方修正した。ただ、確信は何もない。

 良いピッチで最後まで走り切れるのは強み。それを常に生かしたトレーニング、マラソンが必要だと思います。いい練習ができて、いい体調で来ていたので、第一集団でいこうと。『早く帰ってきたら、早く終われるよ?』と伝えていた。思ったより早く帰ってきて、私も彼女の成長に追いついていない。成長過程にとてつもない結果が出ている。要因を分析しないと次にいけない。現状ではなぜ伸びたか、持っているものが凄いということでいいと思う」

――初マラソンはいつで、フルマラソンは何回目か。

「2021年11月の富士山マラソンです。フルマラソンは8回目」

――ランニングサークルに入った理由は。

「早大だったけど、早大の競走部はあまり部員がいなくて駅伝ができない。マラソンがやりたかったので、トラックよりマラソンを楽しく走りたくて、ランニングサークルに入った」

――サークル時代に磨いた土台は。生きたことは。

「学生時代はそんなに本格的な練習はしていなかった。ひたすら一人でジョグをするのは好き。ボーっとするのが好きなので、走っていました(笑)。サークルは完走を目指すだけの会なので、本当に緩い。週1に皇居ランを2周するくらい。秋のマラソンに有志で出る。リレーマラソンに出たり、4年生のホノルルマラソンにみんなで出るのが最後のイベントです」

――マラソンへの想い。

「最初は楽しく走りたくて入ったけど、高校で結果を残せず心残りがあった。大学で楽しく走るうちに、もっと速く走りたいという気持ちが再燃した。一昨年の大阪国際女子マラソンでMGCに出るような人についていけて、楽しかった。もっと本格的にやりたいという想いが強くなりました」

――サークル時代に一人で練習する大変さは。

「一人はつらい。サボっても怒られないし、自分を律するのは大変。周りも陸上をやっていない子たちだったので大変でした」

――ピッチ走法の原点。

「もともと中学からこの走り。自分では他の人と一緒の感覚のつもりです。動画を見ると速いと思うけど、感覚では特別なものはないです」(THE ANSWER編集部)

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