イチローに不満「こいつは引っ張れないのか？」 怒る監督に“一発回答”、証言された24年前の伝説

現役時代のイチロー氏【写真：Getty Images】

■殿堂入りのイチロー氏をキャメロンが語る

　米大リーグ通算3089安打を残したイチロー氏が、日本人初の米野球殿堂入りを決めた。米スポーツ専門局「ESPN」は「イチローが殿堂入りした理由。チームメート、対戦相手から」との見出しで、複数の同僚らが印象に残るシーンなどを語った内容を伝えた。ともに外野も守った名手マイク・キャメロン氏は、2001年の出来事について「みんなただ笑い転げていたよ」と振り返っていた。

　2003年まで3シーズン、マリナーズで同僚だったキャメロン氏。イチロー氏がメジャー1年目だった2001年のスプリングトレーニングを振り返っている。打撃について「イチローは三塁側のダグアウトや三塁手の頭上を越えるようなファウルを打ったり、一、二塁間や三遊間、遊撃手の頭上を越えるヒットを多く打ったりしていた」と語っている。

　当時の監督はルー・ピネラ氏。キャメロン氏は「ある日、ルーが腹を立てたんだ」とイチロー氏の打撃を見て指揮官がご立腹だった場面を回顧した。

「多分、ゴロアウトかそんな感じだったと思う。ルーは自分の言いたいことをいつも全てガンガン言って、声も大きかったからイチローにも聞こえていたと思うけど、ベンチにいるコーチにこう言ったんだ。『こいつは1回くらい引っ張って打てないのか？』と」

　ピネラ監督はダグアウトで怒りを露わにし、コーチに不満をぶつけたという。しかしキャメロン氏いわく、イチロー氏は「思った通り」に、次の打席で右方向にホームランを打ったという。

　キャメロン氏は「彼はいつも通り無表情でサングラスをかけたままベースを一周した。それからヘルメットを脱いでグローブを外し、バットをラックに戻して、座ってから『どうだった？』と言ったんだ」と生還後のイチロー氏を表現。カッコ良すぎる“一発回答”に「みんなただ笑い転げていたよ」と証言している。（THE ANSWER編集部）