大相撲で「ジーンときた」心温まるワンシーンが話題 引退力士、現役最後の一番直後に生まれた光景

現役最後の一番で朝乃若と対戦した海乃島（左）（ABEMAのスクリーンショット）

■幕下の“反り技名人”が引退

　第74代横綱・豊昇龍の誕生に沸く相撲界。一方で29日には日本相撲協会から引退力士も発表された。その中で、三段目力士が現役最後の一番で見せた大技での勝利が話題に。対戦相手だった力士の粋な行動も含め、ネット上では「大技を置き土産に引退」「ジーンときた」といった声が上がるなど、反響が広がっている。

　最後の最後に魅せた。東三段目八枚目の海乃島（かいのしま、藤島）は十四日目に幕下の朝乃若（高砂）と対戦。立合いで低く当たった海乃島だったが、朝乃若に右腕を抱え込まれるように組み止められると、首もロックされたような体勢のまま土俵際に押し込まれた。だがそこから首と肩の力を使って持ち上げ、最後は後ろに反るような形で朝乃若を土俵下に投げ落とした。

　決まり手は「たすき反り」。最高位は幕下九枚目で身長173.5センチ、体重102.7キロと小兵ながらも“反り技名人”の異名を誇った29歳の海乃島はこの相撲を最後に引退を決めており、文字通り最後の一番で本領発揮、有終の美を飾った。

　取組を終え、東の花道を下がる際にはファンから花束も渡されるなど、海乃島には館内から大きな拍手も起こった。思わぬ光景が広がったのはその後。なんと、取組を終えたばかりの朝乃若が西の花道から下がった後に、急ぎ足で東の花道の奥に現れ、頭を下げながら海乃島に花を手渡した。

　ABEMAの中継でも映ったシーンは、相撲ファンの間で話題に。ネット上では「大技を置き土産に引退。お疲れさまでした」「たすき反り、かっこよかったです」「最後までいい相撲」など海乃島を労う声が上がった一方で「え、いつの間に！」「今日が最後の土俵だった海乃島さんのところまで対戦終えてすぐに西からやって来てお花渡してた朝乃若　そういうところ大好き」「ジーンときたよ」「海乃島にお花を渡した朝乃若、ステキ過ぎましたねー。また惚れ直しました」など、朝乃若の行動に感動の声も上がっていた。（THE ANSWER編集部）