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あの日、箱山遥人の隣で芽生えた感情 「甲子園で終われるって…」健大高崎で“主将”と共に継がれた一冊の本

THE ANSWER / 2025年2月4日 7時43分

センバツ出場が決まり、笑顔を見せる健大高崎ナイン【写真:山野邊佳穂】

■センバツ前回王者・健大高崎の加藤大成主将が見据える高校ラストイヤー

 第97回センバツ高校野球(3月18日開幕・甲子園)の選考委員会が1月24日に開かれ、32校が選出された。秋季関東大会で準優勝した健大高崎(群馬)も3季連続7度目の出場が決定。春夏を通じて甲子園初優勝を果たした昨春に続く連覇を目指す。ナインを引っ張るのは、主将の加藤大成内野手(2年)。前主将の箱山遥人捕手(3年)からもらった一冊の本も参考にし、自分のスタイルを貫く。センバツ連覇、さらに夏の甲子園2年連続出場に導く覚悟だ。

 真夏の聖地――。加藤には忘れられないシーンがある。「来年、頑張れよ」。昨夏の甲子園2回戦、「2番・三塁」で出場した智弁学園(奈良)戦に1-2で惜敗し、主将の箱山に肩を抱えられながらアルプス席へ挨拶した時のことだ。

 先輩の高校野球が終わった瞬間を間近で見た。悔しかった。でもその時、芽生えた感情がある。

「甲子園で終われることって最高なんだな」

 高校通算35本塁打、ドラフト候補にも挙がり社会人野球の名門・トヨタ自動車加入が決まった偉大な先輩から主将マークを引き継いだ。2人の関係性を聞くと、加藤は「かなりコミュニケーションを取ってもらった。仲良しと言うとちょっと怒られはしないけど……色々と言うので(笑)」と白い歯を覗かせる。

 寮の掃除場所も一緒。グラウンド内外で、近くでその姿を見てきた一方で、同じ大役を担って感じる苦労もある。「キャプテンは大変。みんな素直すぎて思ったままに行動する(笑)。それで箱山さんからもらった本を参考にしています」

 タイトルは「聖光学院・斎藤智也のセオリー」。福島の新鋭校を甲子園常連校に育て上げた名将の野球メソッドが詰まった一冊を自ら連絡し、寮に来た際に持ってきてもらった。「自分の感じたことを言うだけでは足りない。ミーティングの材料になっている」と活用している。


健大高崎の加藤大成主将【写真:山野邊佳穂】

■目標はセンバツ連覇、夏の甲子園2年連続出場

 3季連続の聖地となるセンバツ出場が決まり、出場校発表の際にはあどけない笑顔を見せた健大高崎ナイン。小谷魁星コーチは「精神年齢が加藤は20歳、ほかは15歳」と笑う。だからこそ、「加藤の存在が大きい。加藤が夏の甲子園から戻って、一気にチームがピタっとなった。服装に一色入れたら落ち着くみたいな、そういう感じ」と絶大な信頼を寄せている。

「箱山さんは『付いてこい』というタイプ。100%真似しようと思っても無理なので、自分は目配り気配りを生かして丁寧に。仲間と一緒に戦いにいくキャプテンです」(加藤)

 昨年9年ぶりに夏の甲子園に辿り着いた。「健大は夏に勝てていなかった。夏の群馬大会連覇を狙っている」と加藤。春連覇、そして再び真夏の聖地へ。頼れる主将がチームを特別な舞台に連れていく。(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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