1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

「40歳だけどカーリングはこれから」 激闘の日本選手権、男女ともにベテランが“新旧交代”阻む

THE ANSWER / 2025年2月10日 14時33分

優勝に歓喜するフォルティウス【写真:(C)JCA/H.IDE】

■カーリング日本選手権

 カーリングの日本選手権が9日まで神奈川・横浜BUNTAIで行われ、女子はフォルティウスが3年ぶり3回目、男子はSC軽井沢クラブが2年ぶり11回目の優勝を果たした。フォルティウスは北海道銀行、SC軽井沢クラブはロコ・ソラーレと若いチームを退け、ともに9月に行われる五輪日本代表候補決定戦に進んだ。

 初の首都圏開催、8日間の激闘を締めくくる決勝戦は、男女とも「経験豊富なベテラン」対「勢いのある若手」の顔合わせになった。女子は延長にもつれこむ激戦、男子も最終10エンド(E)で決着する接戦の末に「26年ミラノ・コルティナ五輪」代表に望みをつないだ。

 4人の平均年齢31・8歳、33歳の吉村紗也香をスキップに、14年ソチ五輪代表の小野寺佳歩、10年バンクーバー五輪代表の近江谷杏菜を擁するフォルティウスは、平均22歳の北海道銀行の挑戦を受けた。

 もともと北海道銀行の支援を受けて「北海道銀行フォルティウス」として活動していたが、21年にスポンサー契約が終了。その北海道銀行がフォルティウスから移籍した伊藤彩未、田畑百葉を軸に新たに結成したのが同行カーリング部。フォルティウスにとっては「10歳離れた義理の妹」との対戦だった。

 10Eで追いつかれたものの、有利な後攻で延長の第11Eを迎えられるフォルティウスは落ち着いていた。産休後に復帰した吉村は、勝利を決めるラストショットをハウス中央に収め「どんな場面でも冷静でいられた」と精神面の成長を口にした。

 男子も18年平昌五輪を経験するサード山口剛史がスキップを務めるSC軽井沢クラブが、22歳以下で構成される相手を下した。「まだ足りなかった。もっと成長しないと」と泣き崩れるロコの22歳スキップ前田拓海に対して、40歳の山口は「まだまだ若い選手には負けない」と言い放った。

 経験が大きな武器となるカーリング。前回の北京五輪では、ロコ・ソラーレの石崎琴美が43歳で冬季大会日本人最年長メダリストになるなど長く一線で活躍できる競技だ。山口も「40歳だけど、カーリングではこれから」と鍛え抜かれた胸を張って言った。

 五輪への夢がついえたロコの前田と北海道銀行の仁平未来は「もっと強くなって戻ってくる。4年後は圧倒的な力で勝ちたい」と同じ言葉で再起を誓った。ともに、まだ22歳。今大会での新旧交代こそならなかったが、カーリング人生はまだまだ長い。

 SC軽井沢クラブとフォルティウスは五輪国別出場枠を争う来月の世界選手権に出場。ここで出場枠が得られれば、男子はSC軽井沢クラブとコンサドーレ、女子はフォルティウスとロコ・ソラーレ、SC軽井沢クラブが9月の代表決定戦で出場を争う。世界選手権で枠が得られなかった場合は、同大会の勝者が12月開催の世界最終予選で出場権獲得を目指す。(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一
1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください