日本に2度目のラグビーW杯はやってくるのか 2035年に照準も…大会は巨額ビジネス化、WRとの“綱引き”に
THE ANSWER / 2025年2月10日 10時43分
■来日したワールドラグビーのロビンソン新会長の言葉から可能性を考える
ワールドラグビー(WR)のブレット・ロビンソン新会長が来日中の2月3日、都内でメディアブリーフィングを行った。オーストラリア生まれ。史上初の南半球生まれの新会長としての意欲やこれからの取り組みについて説明する中で、日本が目指す2度目のワールドカップ(W杯)開催に質疑、議題が集中した。オリンピック、サッカーのFIFA W杯に次ぐ世界3番目のスポーツイベントと化し、世界各国・地域が開催に手を挙げる中で、国内のラグビー人気醸成に大きく貢献した2019年大会の再現は果たして可能なのか。世界ラグビーのトップの言葉から、その可能性を考える。(取材・文=吉田 宏)
◇ ◇ ◇
昨年11月に就任したラグビー界のボスは、初めての外遊に日本を選んだ。
「昨年の会長選ではJRFUの多大なるご支援を頂きましたので、今回、会長になって初めての訪問先が日本になったことは私にとっては当然のことだと考えています」
選手としてスーパーラグビー・ブランビーズで主将を務め、オーストラリア代表でも16キャップを持つ。ブランビーズ時代は、現在日本代表を率いるエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチの下でもプレーして、哲学博士号を得たオックスフォード大でも選手として活躍してきた。会長選では元フランス代表アブデラティフ・べナジとの決戦投票が27-25という僅差だったことを考えれば日本票への感謝は間違いないだろうが、それが最初の訪問地に選んだ第一の理由ではない。
ブリーフィング冒頭に、日本協会の土田雅人会長はこんな挨拶をしている。
「今回(の会長来日)は、重要なテーマとして話し合いを続けていますが2035年の男子、2037年の女子W杯日本開催へ向けてです。そのためにも、日本協会の財政安定はもちろん、組織力強化が大変重要です。代表チームの活躍は必須となり、男子チームはもちろんですが、女子ラグビーのさらなる発展へ向けてしっかりと取り組んでまいります」
今回の訪日の大きなテーマが「W杯日本大会」なのは間違いない。2022年の就任から男子は2度目、女子は初となるW杯の日本開催を公言してきた土田会長だが、JRFUも票を投じた新会長の就任は大きな追い風と受け止めている。退任時に72歳だった前任のビル・ボーモント卿から55歳に若返り、改革に積極的な南半球出身の初めての会長でもある。伝統と格式を重んじる傾向のあるヨーロッパ系理事(協会)以上に、ラグビー界では“新興勢力”の日本にはプラス材料になるだろう。
では、日本が2度目のW杯開催を熱望していることを、WR首脳はどう受け止めているのか。JRFUに聞くと、こんな訪日理由だという。
「協会を含む日本のラグビー関係者、スポーツ関係者、スポンサー等との面会、打ち合わせを目的に来日されている。新会長にいち早く来日いただくことは、協会の希望でもあった」
説明通り、日本滞在中にはJRFUを始めスポーツ振興に関わる関係省庁、協賛企業を訪問している。今回の訪日には、WRのアラン・ギルピンCEO(最高経営責任者)も帯同している。19年日本大会前後には頻繁に来日して、開催実績のない日本の組織委員会をサポートしてきた中心人物だが、今回は2019年大会を共に成功へと導いた日本側の関係者との親交だけではなく、最高経営責任者として、次の日本大会成功へ向けた欠かせないステークホルダーとなるであろう財官界とのコミュニケーションを深め、情報を共有したい思惑があったのは、ブリーフィングでのCEO自身のコメントがよく物語っている。
「2019年大会は、日本の皆さんが一部の懐疑的な声を成功で黙らせた。今、JRFUと日本の皆さんと、過去のことだけではなく将来について話をしています。将来のW杯、将来の国際大会、そして日本ラグビーの今後の発展、繁栄をしていくことについてです。それは15人制も、7人制もです。そしてリーグワンは、世界でも比べようのない成功を収めている。私たちが本当にわくわくしているのは、JRFUの皆さんと将来のW杯について話をしているということです。時間をかけて、しっかりと話し合い、方向性を決めていきます」
JRFU、WR双方首脳の言葉から、2度目の日本大会がかなり現実的なのは間違いない。新会長を迎えたWRが、日本大会開催のために重要な国内組織を訪れ、コミュニケーションを深めたのが今回の訪日の目的の一つだった。ブリーフィングでのWR側、日本側それぞれのコメントからは日本開催自体については相思相愛と印象づけられたが、同時に微妙な“綱引き”があることも浮かび上がる。土田会長が開催年を「2035年」と単年で語ったのに対して、ギルピンCEOはこう話している。
「具体的なゴールも(JRFUから)聞いています。男子のW杯は2035年もしくは39年、より早くという声もありますが、そこを目標にしているということです」
日本でメディアブリーフィングに出席したワールドラグビーのロビンソン新会長【写真:吉田宏】
■対抗馬にはスペイン、イタリア、英国&アイルランド
JRFU側にも確認を取ると、「なるべく早い開催を期待している」(JRFU関係者)という理由で39年の選択肢よりも35年開催を優先させている。35年の開催を希望している日本に対して、WRは39年にも触れることで、2つの開催年という含みを持たせている。35年か39年なのか。その背景にはWRが変更した開催国選定方法も影響しているようだ。
従来は、開催希望協会(国・地域)が大会の理念、プラン、収益目標などを競い合い、最終的にWR理事会での投票で開催国が選考されてきた。だが、現在既に開催国が確定している2027年、31年大会からは、新たな考え方に基づいた選定が行われている。ロビンソン会長は、こう説明している。
「WRは、従来の4年に一度開催国を決めるために協会同士が競争するやり方を辞めることにしました。長期的に、財政面でもしっかりと検討して、新たな市場を開拓出来るチャンスがあるかどうかを見極めていきます。その考え方に則り27年にオーストラリア、31年はアメリカが選ばれた。35年、39年のW杯も、どこで開催するのが財政的に意味があるのか、どこで選手がプレーするのがいいのかに基づいて決定されます」
前回の日本開催の選考でも、実は2015年のイングランド開催とワンセットで19年の日本が選ばれている。当時のWRでは、2011年大会の招致には敗れたものの、日本という“第3極”の存在は無視できない状況だった。そこで採用されたのが、収益性の高いイングランドで開催した後に未知数の日本で開催するという2大会同時選考だった。日本については、準備時間を長く持たせるべきだという意見も強く、15年ではなく19年開催へと票が流れた。現行方式は、WRでの投票という方式は変わらないが、2019年の選考過程にさらに運営能力、収益性なども精査して開催国が選定されていくことになる。WRの開催国選定プロセスからは、従来以上に収益性も含めて確実性のある開催国を選び、大会を成功させたいという強い意思が読み取ることが出来る。
このような選考方法も踏まえて、WRが35年、39年大会の開催国選定をより効果的で収益性の高いものにするために、バランスを考え、柔軟性を持ちながら進めようとしているのに対して、日本側はより早い開催を求めている。そのために、日本側も就任早々の新会長を含めたWR首脳陣とのW杯を題材にした話し合いを持ちたかったことも、このタイミングでの訪日が実現した理由でもあるはずだ。JRFUでは、年々薄れつつある2019年大会で得た様々なレガシーや収益、普及・強化の恩恵を、出来る限り早く取り戻したい。現在の協会首脳陣が次の日本大会の開幕の時にどこまで在職しているかは分からないが、少なくとも自分たちの在任中に再招致を実現させたいという思いもあるだろう。日本側はおそらく39年という可能性も考えながら「35年の男子、37年の女子」というセットを売り込み、WRは開催年に含みを持たせている。すでに、静かに「35年」と「35年ないし39年」という戦いは始まっている。
では、日本の対抗馬はどうだろうか。確定している31年大会以降の開催に意欲を示している国・地域について、ギルピンCEOはこう語っている。
「名前を挙げられるとすれば、スペイン、イタリアが公式に開催したいと表明して、英国とアイルランドが共催で関心を示している。他の協会でも関心を持っているところがある」
WRにとっては、過去に開催実績がなく、2月第2週現在世界ランキング18位のスペインのような国が開催に意欲を見せるのは歓迎出来る一方で、巨大化する大会をしっかりと運営出来るのか、そして期待される収益性を確保できるのかは重大なテーマになる。日本は19年大会で99%のチケット販売を達成して、6000億円を超える経済波及効果を生んだと報告されている。危惧された収益性でも一定の結果を出せている。その一方で、23年大会を開催したフランスや、再び手を挙げようとしている英国・アイルランドほどのラグビーの強固な地盤を持っていないことから、いまは伝統国と新興国の間に位置づけられていると考えるのが妥当だろう。2035年、39年の開催を考えると、WRが導入する2大会同時選考では、15年、19年同様に安定した収益性と開催能力が計算できる英国ベースの大会後に日本開催というシナリオがあってもおかしくない。ちなみに、注目される今後の開催国決定時期について同CEOは「2035年の開催国については、27年大会の開催前に決まると思う。なので7年、8年前から準備が出来ることになる」と説明している。
W杯を「開催能力」という側面から考えると地殻変動が起きていることも、今後の選考に影響がありそうだ。日本が19年大会で、伝統国以外、アジアでの初開催という価値に加えて、過去の大会で最多となる68億円の黒字を記録するなど収益性も残したこと、そして日本代表も初のベスト8進出なども含めてWR内でも評価を得た。だがその一方で、従来W杯を開催してきた常連国には陰りも見えてきている。
投票による日本との招致レースを制して2011年大会をホストしたニュージーランド(NZ)は、歴史的な第1回大会をオーストラリアと共催(決勝戦はNZ)するなど、代表チームの実力も含めて誰もが認めるラグビー大国だ。だが、開催国優勝を果たした11年大会の前から、これがNZで最後のW杯になるのではないか――という声は少なくなかった。2011年の時点で、W杯はすでに企業、政府などからの巨額の投資が求められる大会に膨れ上がり、同国の国内資本では十分に賄えない規模に達していたからだ。
記念撮影に応じた(左から)ロビンソン会長、土田雅人JRFU会長、アラン・ギルピンCEO【写真:吉田宏】
■重視される従来以上に収益性の高いスタジアムと地域
大会毎にグローバル化が進み、既に多くの巨大企業がメジャーパートナーとして地域や国に関係なく投資をしているのがいまのW杯だが、開催国国内での投資や消費などは収益面では軽視できない。2023年のフランス大会における消費総額が3000億円近くだったことからも判るように、W杯自体が巨額なビジネスと化している。その中で、この世界屈指のイベントの開催を躊躇する国も増えていく可能性は十分にある。収益性という観点からは、2003年以来の2度目の単独開催を27年に実現するオーストラリアの開催都市の選考からも、その影響が伺える。
WRおよびオーストラリアの組織委員会は1月に2027年大会の開催都市を発表した。しかし、そのリストには首都キャンベラの名前はなかった。首都建設を目的に造られた計画都市だったキャンベラは、確かにシドニーやブリスベンにあるダウンタウンの活況はない。ラグビーに目を向けると、長らく国内ラグビーを牽引し、多くのスター選手も輩出したATCブランビーズの本拠地でもあるが、チームのOBでもあるロビンソン会長は「キャンベラには適切な施設がない。つまりW杯が開催出来るほどのスケールがないのです。商業的にも、そこまでチャンスが見込まれないために選ばれなかった」と指摘している。
この発言から読み取れるのは、従来以上に収益性の高いスタジアム(地域)、つまり人の流れがあり、観戦チケット購買者が多く、キャパシティもある場所が重視されているという現実だ。この先の開催国、候補地を見ても、27年のオーストラリア、31年のアメリカ合衆国と強い資本と収容力のあるスタジアムを持つ国での開催が続く。サッカー王国スペインも“器”なら事欠かない。その中で、間違いなく日本の強みになるのは、19年大会の開催実績だ。ギルピンCEOはブリーフィングで、こんな発言もしている。
「2019年の成功が、JRFU、日本政府、自治体の皆さんにとっても大きなレガシーになっていると感じている。また、W杯においては、様々な法人、放送局、その他のメディアと貴重なパートナーシップを築き、それが現在に至り、将来にも続いている。アサヒビール、キヤノン、大正製薬といった皆さんとの力強いパートナーシップがラグビーを支えているのです」
2019、23年大会にも関わった日本側の関係者、企業との強い繋がりを、CEOは社名も挙げて語り、その親和性を印象付けた。アサヒビールは日本開催の19年大会はオフィシャルビールの座をハイネケンに譲ったものの、23年フランス大会でヨーロッパのビールを押しのけて「プリンシパルパートナー」という上級スポンサーに就いている。現地フランスでも「アサイ(アサヒ)」人気は上々だった。さらに昨年には、その提携を今年の女子イングランド大会を始め、27年男子、29年女子のオーストラリア大会まで伸ばしている。19年大会でWR首脳と関係性を築いた日本企業、アサヒビールのようなWRと直接提携関係を結ぶ企業の存在も、2度目の日本開催には力強い訴求材料になるのは間違いない。
このような日本の立ち位置の中で、場合によっては「開催年」以上にWRとの“綱引き”が起こりそうな要素も、ブリーフィングから読み取ることが出来る。ギルピンCEOのコメントを紹介しよう。
「WRにとって、7人制の成功は世界でラグビーを成長させるためには極めて重要です。そこについては日本政府、JRFU、日本の関係者の皆さんにお礼を申し上げたい。それは2021年に開催されたオリンピックの成功です。あの当時は(パンデミックで)大変だったと思います。その中で、関係者の皆さんが、本当に献身的に準備をして、あれだけ質の高い大会を開催してくれた。あの時の7人制の成功が、パリ五輪での成功に結び付いたと思います。日本の皆さんの協力、成功はラグビー界には重要です。これから15人制だけではなく、7人制の大会も日本で開催する可能性についても話し合いが持たれています」
日本の7人制への貢献を称賛しながら、さらにこのカテゴリーのイベントへの日本の関与を強く求めているのが判る。この発言を引き継ぐように、ロビンソン会長もこう続けている。
「世界でラグビーが発展していくためには、女子のラグビーへの投資は非常に重要で、WRは投資を続けていきます。女子ラグビーの選手数は300万人に近づいています。その中で、アジアという地域の中で日本が15人制だけではなく7人制でも活躍してくれることが、やはりアジア、そして世界のラグビーに発展をもたらしてくれます。パースでの、日本の7人制での成功が、今年の15人制W杯の成功に繋がると私たちは信じています。7人制も身近なスポーツになれるように情熱を持って取り組んでいきたい。その中心に、日本の皆さんがいてくれて、それが今後も続くだろうと思っています」
CEOが7人制の重要性を唱え、会長が女子の価値にも踏み込んでいく。2人の連携で、WRが日本に何を求めているかを明示している。1月最終週にパース(オーストラリア)で行われた7人制の国際サーキット「HSBC SVNS」で、女子日本代表が過去最高タイの5位と躍進したことも引き合いに出しているが、このようなコメントは日本代表の活躍を称賛するだけではなく日本協会への強い期待感が込められている。土田会長も2035年の男子W杯と2年後の女子大会開催をセットとして訴えているが、WR上層部がW杯に止まらず、男女15人制、7人制などあらゆるカテゴリーの国際大会の開催を日本に求める姿勢を強めているようにも感じられる。
■ロビンソン会長が語った期待「日本には大きなチャンスがある」
背景にあるのは、日本の国際大会開催実績だ。2019年のW杯こそ世界にインパクトを残したが、それ以外では2009年のU20チャンピオンシップ程度と、日本開催の国際イベントは驚く程少ない。7人制のワールドシリーズ(現HSBC SVNS)は2015年を最後に行われていない。日本が23年5月に、協会運営力、収益性などの評価で「ハイパフォーマンスユニオン」と呼ばれる世界最上位の協会の一員に認定されたことを考えれば、WRからの“注文”が従来以上に高まっても不思議ではないだろう。そんな思いを反映するように、わずか1時間あまりのブリーフィングと質疑応答でWR首脳から矢継ぎ早に女子、7人制への期待感が発せられている。
当然ならが、JRFUもWRからの“メッセージ”は理解しているはずだ。これからの話し合いの中で、どこまでWRが期待するものに応えることが出来るかが、2度目のW杯実現への潤滑油になるのは間違いない。それが7人制ワールドシリーズやW杯なのか、U20の国際大会なのかは、双方のニーズや開催日時、運営資金などの諸条件の中で、ベストなシナリオを双方が擦り合わせる交渉になる。JRFUの予算も踏まえれば、WRからの要望全てに“いい顔”は出来ないのは間違いない。どのようなニーズに応えることが、W杯再招致のためによりいいポイントを稼げるのかを慎重に精査しながらの駆け引きが続くことになりそうだ。
ブリーフィングでロビンソン会長は、ピッチ上での日本への期待も語っている。
「日本は男女代表共にパフォーマンスが高い。今年の女子W杯、27年の男子大会で、しっかりと活躍することが期待されるし、そのためには(男子は)26年から始まるワールドラグビー・ネイションズチャンピオンシップ(WNC)にティア1(最上位国)として参加することが極めて大切になる。W杯の間にも大きな大会があるということ、そして日本が毎年のように激しい競争を潜り抜けること、これが将来の日本のラグビーも発展にもなるし、今後のW杯の成功にも繋がると考えている。日本には大きなチャンスがある」
日本へのエールでもある一方で、これから本格化する2度目のW杯招致レースへ向けて、日本代表の活躍、成績は重要だというメッセージと受け止めていいだろう。WNCは、この10年以上に渡り開催が浮上しては消えていた大会だ。世界の上位12か国が隔年で戦う“ミニW杯”は、23年のW杯フランス大会期間中に正式に開催が発表されたが、欧州6か国対抗と南半球のラグビーチャンピオンシップに参加する10カ国の出場が確定し、残る2枠は日本とフィジーが有力視されている。
ロビンソン会長は「(WNCは)いろいろな国が価値のある戦いをして、ファンも増やしていけるチャンスになる。現在は、6か国、チャンピオンシップ参加国、そして日本とフィジーという国の対戦がどのようなものになるのが一番いいのかといった交渉が行われている。私たちWRもその交渉を助ける形になっているが、日本がこの中で果たす役割は極めて大きいと考えています」と、既に日本代表の参戦は既成事実のように語っているが、この新たな強豪国同士のトーナメントで結果を出すことが、W杯招致にも影響することは心しておく必要がある。
新会長が“顔合わせ”の訪日で出してきたパンチは明らかだ。2度目の開催権を手にするためには、2019年以上の参加国、開催期間と規模を広げるであろう大会の、前回以上の収益性も含めた成功の担保と日本代表の躍進が絶対条件であり、その前提としての国際大会への門戸開放をどう実現していくのか。しかし、忘れてはいけないのは、WRが何を求めるのではなく、日本がどんな2度目の祭典を開催したいのかだろう。国内外へ向けて、前回掲げた「アジア初」「伝統国以外での開催」に代わる新たな意義と価値をどう訴えていけるのか。10年後なのか、それとも14年後かはこれからの綱引き次第だが、敗れた2011年も含めた3度目の招致レースは既に号砲が鳴らされている。(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)
吉田 宏
サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。
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